扶助協会会長の語る熊本地震

熊本地震における教会の三面支援

物資面の支援,精神面の支援,モルモン・ヘルピングハンズ活動による人的支援

 

 4月14日から発生した一連の熊本地震の被災者支援に当たり,教会がこれまで果たしてきた働きの概要をまとめてお伝えする。5月末には災害派遣の自衛隊が撤収,災害は収束に向かいつつあるように見えるが,生活の再建は始まったばかりである。

 

 

物質的な支援

 震災直後から教会は,熊本ステークセンターと清水/坪井ワードの2か所の集会場・駐車場を避難所として開放した。これらの集会場では炊き出しが行われたほか,福岡に置かれた教会の物流拠点をはじめ各地からいち早く物資が搬入され,近隣にも配布された。

 教会は地域に求められた物資も支援している。これまで御舟町,西原村,宇城市の災害ボランティアセンターへ,スポーツドリンク,防塵マスク,ブルーシート,土のう袋などをまとまった単位で提供した。

 

 

心理・精神面での支援

 LDSファミリーサービスはIsrAID(イスラエイド)※1と協働して,心理・精神面での支援を行った。これまでに合計62人が家族・個人へのカウンセリングを受けた。また4月24日(日)のIsrAIDワークショップには延べ97人が参加した。LDSファミリーサービスは5月22日(日)に,臨床心理士によるリラクゼーションワークショップを開催し,48人が参加した。

 

 

モルモン・ヘルピングハンズ活動

 北九州ワードは,4月中にYSA(独身成人)を含む小さなグループで活動した。

 専任宣教師のモルモン・ヘルピングハンズ活動として,清水/坪井ワードの長老たちは,熊本市立詫麻原小学校での支援物資の運搬,ならびに,親子の心のケアを目的とした子供と遊ぶ係のボランティア活動を6回にわたって行った。

 また長嶺/熊本ワードの長老たちは,益城町災害ボランティアセンターを通して瓦礫運びや清掃,その他さまざまな活動を担当,今も週に4回のペースで続けている。

 団体のモルモン・ヘルピングハンズ活動としては,5月21日(土),熊本ステークの会員たちが,熊本市災害ボランティアセンターを通して水前寺公園の池底清掃を割り当てられ,大阪市職員のグループとともに池の中に入って働いた。水前寺公園の池は本震の後,これまで豊かに湧き出ていた地下水の量が減少し水位が低下している。湧き水を見えやすくするため,池の底の砂利をバケツリレーで取り除いた。また5月28日(土)には福岡ステークの会員たちが,同じく熊本市災害ボランティアセンターの割り当てにより,避難所の物資管理と清掃,被災者家屋の清掃,また雨模様の中,廃棄家電製品の集積場での仕分け作業などを行った。

 6月1日現在,モルモン・ヘルピングハンズ活動を含めた教会ボランティアの延べ人数は366人,延べ奉仕時間は3,353時間である。ヘルピングハンズ活動は6月中にも複数回,計画されている。鹿児島や長崎地方部の活動も計画中である。

※1─イスラエイド:イスラエルで発祥し,戦災や自然災害によるトラウマ(心の傷)のケアを主眼とした,心理療法の専門家を含む国際人道支援活動団体◆