リアホナ2005年10月号教会,堀田力氏に「家族の価値観賞」を贈る

教会,堀田力氏に「家族の価値観賞」を贈る

本年度の英語スピーチコンテスト全国大会からは,地域社会で家族のきずなを強め,家族に対する価値観の向上に貢献した個人や団体を表彰する「Family Value Award」(ファミリー・バリュー・アワード)の贈呈式典も併催された。第2回目となる今回の表彰では,さわやか福祉財団理事長であり,弁護士の堀田力氏が選ばれた。堀田氏は東京地検特捜部検事としてロッキード事件を担当,また,法務大臣官房長として司法改革に取り組んできた経歴を持つ。平成3年に退官してからは,さわやか法律事務所及びさわやか福祉推進センターを設立し,その後,平成7年にさわやか福祉財団を開設した。現在はテレビや多くのメディアに登場し,コメンテーターとしても活躍している。

Family Value Award 選定委員会委員長の内田照男兄弟は,表彰に先立ち,堀田氏への表彰理由とファミリー・バリュー・アワードについて紹介した。1995年に創設され世界各国で贈呈されている同賞の表彰プログラムは,日本では2003年に開始された。毎年6月に受賞者となる候補の推薦を受け,選定委員会でふさわしい受賞者を選出する。賞は,アジア北地域会長会のウィリアム・R・ワーカー会長の名前で贈られる。

堀田氏は,市民互助団体などを含む市民が自主的に行う助け合いの活動を主軸として,高齢者などに対し,「困ったときはお互いさま」の気持ちで日常生活を支援する,また話し相手になるなど心の交流を含む活動を提唱している。堀田氏のスピーチの中では何度も「優しさ」と「支え合う」という言葉が使われる。高齢者の方々を支える家族の現状をよく知っている堀田氏のまなざしは,介護を受ける人だけではなく介護する家族へも向けられている。家族だけで介護することは難しいとして,地域社会が一緒に支え合うことや,その制度の確立の必要性を説く。高齢者の方々が幸せになる社会,それを大きな家族として捉えている堀田氏は,活動を推進する中で「あなたは日本のすばらしい家族関係を壊す人」とも言われてきたという。しかしそれは,本来の日本の良い家族観の復活へとつながっている。「すべての人が死ぬ瞬間まで幸せな心で生きることのできる社会の構築」に,「少しでも多く貢献したい」と堀田氏は語っている。

堀田氏は受賞後のあいさつで会場の人々にこう話した。「わたしがこの賞を頂くというのはとても複雑な気持ちです。わたしは受賞するに値しないともお伝えしました。受賞に当たって,まず最初に妻の顔が浮かびました。『なんであなたが受賞するの』と妻は言うかもしれません。わたしは15年間ボランティアを広める活動をしてきました。今はなかなか家に帰れませんので,とんでもない父親かもしれませんね。しかし,『日本の古き良き家族を復活させるために頑張っているではありませんか』という言葉を受けて,この栄誉ある賞を頂くことにいたしました。」

堀田氏には副賞としてソルトレーク・シティーへの旅行が贈られた。◆