ローカルページ4月号より

ローカルページ4月号より

聖霊に導かれて救いの計画を歩む

─天のお父様と再びともに住む 

アジア北地域会長会 スコット・D・ホワイティング会長

(編集室)Q:エリアビジョンの根本であり前提である最初の1 行について,地域会長会 のホワイティング会長に伺います。そこには, わたしたちの全ての行動の理由が「天のお父様と再びともに住むため」であると書かれ ています。この究極の目標は,教義として教 わってはいても,生活実感としてあまり身近 ではありません。わたしたちはどのようにし てそこへ向かっていくのでしょうか。

(編集室)Q:エリアビジョンの根本であり前提である最初の1 行について,地域会長会 のホワイティング会長に伺います。そこには, わたしたちの全ての行動の理由が「天のお父様と再びともに住むため」であると書かれ ています。この究極の目標は,教義として教 わってはいても,生活実感としてあまり身近 ではありません。わたしたちはどのようにし てそこへ向かっていくのでしょうか。

ホワイティング会長: 「キリストの教義は,第 1 にイエ ス・キリストへの信仰を育むこと,第 2 に自分の罪を悔い改 めること,第 3 に水に沈められるバプテスマを受けること,第 4 に聖霊の賜物を授かることです。そして第 5 に終わりまで堪え忍ばなくてはなりません。

ホワイティング会長:

膨らむ種=気持ち

膨らむ種=気持ち

アルマは(信仰の)種が育っていくことで,胸の内に膨らんでいく気持ちについて 語っています。それが成熟するにつれて, 人は福音に関する事柄を理解するようになります。バプテスマを受けてイエス・キリストと聖約を交わす前に,福音に関する全て の事柄を理解することは決して重要ではないのです。そうであったなら,わたしを含め誰もバプテスマを受けてはいなかったでしょう。

気持ち

イエス・キリストの福音について,わたし は今でも毎日何かを学んでいます。そして 学ぶ中で,自分が若いときに感じた気持ちが,自分が得られるさらなる理解や,より大 きなビジョンへとわたしを導いているのだと分かります。

気持ち

ですからわたしは,イエス・キリストの福音を受け入れた新会員にこの気持ちをいつも覚えているように勧めたいと思います。それが始まりだからです。知識ではなく,気持ちから始まるのです。宣教師の話からわた したちはごくシンプルな知識を得るだけで す。しかし,まったく新しい何かを感じるよ うになります。この気持ちを通して,わたし たちは続けて成長するようになり,わたしたちが理解できるよう知識が増すのです。 教会の新会員に聖霊を授けるとき,『聖霊を受けなさい』という言葉を使いますが, 不思議な言葉です。『あなたは聖霊を受け なくてはなりません,そして毎日聖霊を受 ける必要があります』と言いますね。なぜ 『あなたに聖霊を結び固めます』と言わな いのでしょうか。

気持ち 知識ではなく,気持ちから始まる 気持ち

それは,今日,聖霊を追い払ってしまうよ うな選びをすることもできるからです。聖 霊は失われることもあります。ですからわ たしたちは何度も何度も聖霊を受ける決意 をする必要があるのです。 教会員としてわたしたちは毎日,どのよう に生活し行動するかを決めなくてはなりま せん。『今日わたしは聖霊を受けられるだ ろうか』,『わたしの行動は天のお父様に, 今日も聖霊を受けたいという気持ちを伝えているだろうか』。

わたしたちが生活の中で聖霊を感じ,聖霊がそばにおられることを感じるとき,人 生の困難を乗り越える助けとなります。心 に平安をもたらします。 また,生活の最 も些細な選択や決断をするときでさえ,聖霊は助けてくださいます。聖霊がどのよ うにわたしたちに働きかけられ,聖霊から の気持ちがどんなものであるかを知ること で,困難やこの世の試練に立ち向かい,人 生に立ちはだかる壁を乗り越える助けとな ります。そしてわたしたちが聖霊を感じる と,聖霊は,神会の他の御方であられる天 のお父様とイエス・ キリストに,わたした ちを近づけてくださいま す。神会のこの御二方に近づくことで,わたしたち は平安を感じ,忙しい日常の中でも喜 びを得ます。福音によってしか 得られない喜びがわたしたちにも たらされるのです。」

喜び

Q:どのようにすれば 聖霊を招くことができますか。

Q:どのようにすれば 聖霊を招くことができますか。

生活をシンプルにして聖霊を招く

生活をシンプルにして聖霊を招く

非常に慌ただしい今日の世の中を,若者 向けの流行りの音楽にたとえてみましょう。 とても騒がしく,エレキギターやドラムの音 が響き,まぶしい照明や花火に照らされた, まさにエンターテイメントです。それと,1本 のアコースティックギターを弾きながら歌って いる音楽とを比べてみてください。ソロギター は柔らかで,やさしく,心が落ち着きます。

わたしたちは激しいロックコンサートのよ うな世界に住んでいます。しかし,聖霊を 通して生活の中にシンプルなアコースティッ クのメロディーを探す方法を見いだす必要 があります。聖霊は,騒がしくまぶしいも のではありません。静かでシンプルなので す。生活をシンプルにすることに焦点を当 てるとき,わたしたちはまさに,聖霊がさらにともにいてくださるよう招こうとしている のです。

生活をシンプルにする

聖文により聖霊を招く

聖文により聖霊を招く

聖文の中には,静かに深く聖文について 思いをはせた後に啓示が訪れた例が幾つかあります。教義と聖約第138章は,死者の霊について預言者ジョセフ・F・スミスに 与えられた啓示です。生活の中で啓示を受 けるための規範について教えてくれる聖文 はごく一部しかありません。

『十月三日,わたしは自分の部屋にいて聖文に思いをはせ……書き記されている これらのことを深く考えていると,わたし の理解の目が開かれ〔た〕。』 そして預言 者は偉大な啓示を見ました。

静かな時間を取り,聖文について思いを はせることは,啓示を受ける備えをする良 い手本です。

わたしはモルモン書を読むとき,『なぜ モルモンはこれがわたしにとって重要だと思ったのか』を考えます。一つの聖句を読 んで 30分あるいは 1時間をそのことについて考えるときもあれば,もっと読むときもあ ります。わたしの目標は読み終えることで はありません。聖文を読むことに終わりはないからです。わたしたちは続けて聖文を読みます。わたしの目標は聖文を読むとき に学ぶこと,そして聖霊の助けにより学ぶこ とです。わたしはエキスパートではありません。しかし,学んでいます。そしてさらに理解できるように,より深く考えるようにしています,ただ単に早く読むのではなくて。

Q:聖霊を招く生活の後に何が必要ですか?

Q:聖霊を招く生活の後に何が必要ですか?

救いの計画の全て

救いの計画の全て

宣教師はイエス・キリストの福音の教えを人に伝える際,救いの計画のごく基本的 な事柄を教えます。やがてイエス・キリス トの教義への理解が深まるにつれて,人は 救いの計画には日の栄え,月の栄え,星の 栄え以外のものがあることを分かり始めま す。教義と聖約第131章を読むと,日の栄 えには 3 つの天,すなわち 3 つの階級があ ると書かれています。『その最高の階級を 得るには,人はこの神権の位(すなわち, 結婚の新しくかつ永遠の聖約)に入らなけ ればならない。そうしなければ,その人は これを得ることができない。その人は他の 階級に入ることはできるが,それは彼の王 国の終わりであって,その人は増し加えることができないのである。』これが救い の計画の教えの全てです。男性と女性は神殿で,結婚の新しくかつ永遠の聖約を 含め,全ての聖約にあずからなければなり ません。彼らが,夫と妻として,日の栄えの 3 つの階級の最高の階級で神とともに住む ためです。

救いの儀式を完了すること

救いの儀式を完了すること

聖文には『もしあなたがたがわたしを愛 するならば,わたしのいましめを守るべき である』とあります。つまり愛について考えるとき,おそらく神を愛することをまず始 めに考える必要があります。わたしたちが 神を愛するならば,神の戒めを守るでしょ う。わたしたちへの神の戒めの一つは,結 婚し,生み,増え,地に満ちること,つまりエ デンの園でアダムとエバに与えられた戒め と同じものです。

愛する

これをエリアプランに結び付けてみま しょう。多くの若者がわたしに『忙しくてデートに行けない』,『忙しくて永遠の伴侶を見つけることができない』と話してくれました。おそらく,生活をシンプルにして最も優先するべきことをしかるべき順位に 置けるようにする必要があります。最も優先するべきことは複雑な生活を送ることで も,大金を稼ぐことでもありません。最も優先するべきことは,神の戒めに沿った生活をし,神殿で与えられる救いの儀式を全て受けることです。

シンプルにして

こういった理由でわたしたちは,若い会 員の皆さんに永遠の伴侶を探すように,ま た永遠の伴侶を見つけるにふさわしい生活 を送るように促す預言者の勧告を絶えず 耳にするのです。それは,神殿に参入し, 必要な儀式を受けて,日の栄えの王国の第 3 の階級,すなわち最高の階級に戻り,家 族として神の栄光の内に,永遠に神ととも に住むことができるようになるためです。

エリアプランからもう一つ続けて話をし ます。わたしはまだ結婚していない若い男 性と若い女性が,まず,誰かの永遠の伴侶 となれるように励み,それから一緒になる 永遠の伴侶を見つけるために励むように 願っています。それは,若い男性と若い女 性にとってすばらしい目標と言えるでしょ う。この取り組みの中にエリアプランの幾つかの側面を結びつけることができます。 天のお父様のみもとに戻るには,神殿結婚 に自らを備えるのに十分なほど自分を愛し,自分の永遠の伴侶として愛せる人を探 す必要があります。結婚についての考え方を高め,自分自身への見方を高める必要があります。神殿の聖壇の前にひざまずき, 自ら選んだ相手と結び固められる自分の姿を思い描く必要があります。

励み 励む 愛し 愛せる 高め 高める

若い夫婦が神殿で結び固められると, 20代始めや半ばという年齢で天のお父様 のみもとに戻るために必要な儀式を全て完了します。このことは,わたしにとっていつも驚くべきことでした。つまりわたしたちは,極めて若い年齢で全ての儀式を完了することができるのです。しかしその後, わたしたちは生涯 , 神殿の聖約にふさわしくあることによって,歩みを続け,終わりまで堪え忍ぶ必要があります。

極めて若い年齢で全ての儀式を完了することができる

Q:どうすれば生涯,聖約を守れるでしょう?

Q:どうすれば生涯,聖約を守れるでしょう?

全ての聖約を新たにする日

全ての聖約を新たにする日

預言者,聖見者,啓示者は今日わたしたちに,安息日にさらに重きを置くように求め ています。安息日を守ることの中心は,聖餐を受けることであるべきです。

聖餐を受けるために自らを備える必要があります。日曜日に聖餐を受けたらすぐに, 次の日曜日に再び聖餐を受けられるように備えを始めなければなりません。

考えてみてください。皆さんは聖餐を受 けるためによく備えるとき,福音の教えと戒 めに沿って生活できるよう最善を尽くしているのです。聖霊の導きを求め,家庭に愛 ある環境を作り出し,隣人との交際におい て正直であり,エンダウメントを受けた人 は神殿の聖約に沿って生活をしているので す。ふさわしく聖餐を受けるならば,わたしたちはバプテスマのときに交わした聖約だ けでなく,神殿で交わした聖約まで,全ての聖約を新たにするのです

聖餐について考えみると,これは教会の中 でも自分のために何度も行う唯一の儀式であることがわかります。他の全ての儀式 は,自分のために一度のみ受けて,その後 亡くなった先祖のために行います。これはわたしにとって非常に重要なことです。

何度も行う唯一の儀式

そして聖餐を受ける間,救い主イエス・キリストの贖いの犠牲について深く考えてください。何より大切なのは,週の中で犯した神の律法に相反する行いを悔い改めることです。打ち砕かれた心と悔いる霊をもって聖餐を受けるときに,再び自分の罪の赦しを得るのです。

そのとき,福音とイエス・キリストの贖罪からもたらされる喜びがわたしたちの心を満たします。わたしたちの改心はより深まり,救い主への愛が完全なものに近づき, イエス・キリストの福音に,深く永続する喜びを見いだすのです。

喜び 喜びを見いだす

神のみもとに戻るためのステップ

神のみもとに戻るためのステップ

励むという言葉は,目標に向かって取り 組むという意味です。これは決して競争で はありません。自分を個人的に向上させる ことです。教会では家族と家族,個人と個 人を比べるようなことはしません。誰もが 自分にできる最善を尽くしています。わた したちはそれぞれ違った成長段階にありま す。自分自身がどこにいるかを知り,より 良くなるために,個人また夫婦,家族として ともに前進するよう励むことが大切なので す。聖文は,また預言者は,わたしたちに 何が必要かを示してくれます。わたしたち は自分のどこが弱くて,どこで苦戦してい るかを知っています。つまりこれは,神のみ もとに戻るうえで自分の目標が何であるか, また神のみもとに戻るためのステップは何 かを一人一人が知る機会です。それからそ のステップを踏むために努力をします。

励む 励む

先ほど独身成人,ヤングシングルアダルトについて話したように,機会があるなら結婚は一つの重要なステップです。この 一つのステップにより,わたしたちは天のお父様のみもとに帰る道を進めるようにな るのです。

エリアビジョンの冒頭に『天のお父様と再びともに住むために』という言葉があるのはまさにそのためです。これがわたしたちのゴールです。わたしたちは天のお父様のみもとに戻るためにこそ,地上での働きを続けているのです。」◆