リアホナ2013年1月 伝道部開設50周年を祝う韓国の聖徒たち ─韓国ソウルで記念式典を開催

伝道部開設50周年を祝う韓国の聖徒たち ─韓国ソウルで記念式典を開催

福音が韓国へ最初に伝えられたのは,朝鮮戦争で国が混乱していた1950年代であった。1955年にジョセフ・フィールディング・スミスが韓国で奉献の祈りをささげ,1956年になって東京の北部極東伝道部から最初の宣教師たちが赴任した。最初の宣教師の数はたった10人。伝道の業を進めるのは非常に困難だったが,彼らは次第にこの地で,人々をキリストのもとへ導くのに成功するようになっていった。北部極東伝道部の分割により韓国伝道部が開設されたのは1962年7月1日のことだった。

 北部極東伝道部時代のこと,韓国の宣教師たちのほとんどがB型肝炎にかかり,伝道部会長であったポール・C・アンドラスは彼らの健康を案じて宣教師を引き揚げようとした。しかし,そのことを知った宣教師の一人がアンドラス会長にこう言った。「わたしは知っています。自分には,ここで行うべき主の業があります。だからここに残りたい。もし死ぬのなら,わたしはここで死にます。」抵抗はあったもののアンドラス会長は,固い決意をもって伝道している若い宣教師たちの強い信仰と,韓国の人々に対する彼らの深い愛に胸打たれて,宣教師の召還を思いとどまった。しばらくすると宣教師たちは皆,元気を回復していった。

 韓国伝道部が設立されたとき,この国には1,000人ほどの教会員しかいなかった。50年の後,その数は8万3,000人にも増え,伝道部も3つになった。 2012年11月,韓国伝道部の設立50周年を祝い,ソウル市内にて,400人以上の教会員が集う特別集会が開かれた。この集会には,話者の一人として招かれた,韓国のカトリック教会のトップであるヤングヘー・キム神父をはじめとする他宗教の指導者たちも参列した。集会の一部として音楽の発表もあり,多くの教会員たちが御霊を感じて涙を流すような場面もあった。話者として,現在のソウル伝道部のブレント・クリステンセン会長,韓国に最初に送られた宣教師の一人であり広報宣教師のデビット・A・ペック長老が壇上に立った。そのほかにも,元伝道部会長や元地域七十人など数多くの開拓者がその経験や証を分かち合った。韓国における教会は安定して発展してきた。これからの50年も数多くの奇跡がこの国に起こることを期待して,特別集会の幕は下りた。◆