リアホナ2013年12月 2013年度の地域における福祉活動の強化 最終回

2013年度の地域における福祉活動の強化 最終回

(地域福祉部)

断食と断食献金

一年を通して,わたしたちは非常事態への備えと対応,自立,貧しい人や助けを必要とする人への支援に関する教義と実際の応用方法について考えてきました。今年の締めくくりとして,貧しい人や助けを必要とする人を支援するとともに,自分の霊的・物質的な自立を表す普遍的な方法を採り上げます。テーマは断食です。

主は断食を「悪のなわをほどき,くびきのひもを解き,しえたげられる者を放ち去らせ,すべてのくびきを折る」ための機会であると説明されました(イザヤ58:6)。これらについてわたしたちがよく理解できるように,救い主は幾つか例を挙げて次のように表現されました。「飢えた者に,あなたのパンを分け与え」「さすらえる貧しい者を,あなたの家に入れ」「裸の者を見て,これに着せ」「自分の骨肉に身を隠さない」(イザヤ58:7)この二つの聖句から,断食とは行動を伴う戒めであることが分かり,隣人に祝福をもたらすと同時に,自分自身のための祝福を求めるように促しています。

断食し,断食日を過ごすための基本的な事柄について,手引きに説明されています。「断食日を正しく守るということには,24時間の中の連続した2回の食事の食べ物と飲み物を断つこと,断食証会に出席すること,また援助を必要とする人々を助けるために惜しみなく断食献金を納めることが含まれる。」(『手引き第2部:教会の管理運営』21.1.17,断食日)この簡単な方式により,断食するわたしたちと,わたしたちの断食の目的となっている人々が,より大きな霊的・物質的な力と祝福を受けることができます。

断食の律法は完全な福祉の計画です。この計画のすばらしさは,だれもが参加できるところにあります。まず,2食を断つことから始めます。裕福で1日3食取る人も,貧しくて1日1食に困っている人でも,目的を持って2食を抜くことを主に伝え,祈ることができます。上記の祝福に加え,断食が人の健康に良いという医学界の研究結果が発表されています。

断食証会への出席は,神の言葉で強められ,養われる機会です。また,日々の生活の中での神の愛について深く考えることで,神がわたしたちにしてくださったことを思い起こす時間でもあります。この1か月,贖いによってどのように強められたかを振り返ります。聖霊に支えられ,励まされ,強められたことを思い出します。福音とモルモン書,そして生ける預言者がもたらす影響力について,感謝の気持ちをもって思い出します。そのようなすばらしい思いがあるとき,希望するなら,これらの真理の一つ,あるいは幾つかについて短い,心からの証を述べることができます。

基本的にわたしたちには,断食をしなければ支払ったであろう食費と同額をビショップに納めることが求められています。そう考えると,断食献金に対する負担はないということになります。食べ物のために出費したはずのお金は,貧しい人や助けを必要とする人たちの食物や衣服に使われます。金銭面で余裕のある人に対して,マリオン・G・ロムニー管長は次のように約束しました。「もし教会員が2倍の断食献金を納めるなら,教会の霊性も2倍高まります。」(1971年4月3日に開かれた福祉農業会議にて)スペンサー・W・キンボール大管長も「わたしたちはもっと惜しみなく納めるべきだと,わたしは考えます。可能であれば,断食した2食分の金額だけでなく,おそらくもっと多くを,その十倍をも納めるくらい惜しみない気持ちであるべきです」と語りました(Conference Report, 1974年4月)。この基金は,ビショップが自分のワードの貧しい人や助けを必要としている人への世話や物資的な助けを提供するために使用します。什分の一が信仰の戒めであるなら,断食献金は慈善と奉仕の戒めです。

ビショップは,自分のワードの会員のために断食献金から提供されるすべての援助内容を監督します。ビショップは聖霊の導きに従って質問し,どの程度の援助をどれくらいの期間提供するべきか判断します。断食献金はビショップが使うことのできる他の物資と合わせて使われます。すべての教会福祉援助と同様,この援助は会員の自立を助けるための一時的な支援として提供されます。困ったときには,ためらうことなく早い時期にビショップに声をかけてください。ビショップはあなたと相談したうえで,あなたが主の約束された大いなる祝福を受けられるよう助けを与えてくれます。

L・トム・ペリー長老は次のように言いました。「断食の律法には3つの大きな目的があります。第1に,……断食献金を通して困っている人を助けることです。第2に,断食はわたしたちの健康のためになります。第3に,謙遜になり,霊性が高まります。」(「断食の律法」『聖徒の道』1986年7月号)断食を行い,断食献金を納めることで,今と永遠にわたって人々の生活を祝福し,またわたしたち自身も祝福を受けることができますように。◆