先祖の心を子孫に,子孫の心を先祖に 求めれば必ず与えられます!

◉先祖の心を子孫に,子孫の心を先祖に 求めれば必ず与えられます!

─ 2,100 人余りの先祖の記録を発見して  安里吉隆兄弟 宜野湾ステーク普天間ワード

4年前に亡くなった伯父の一周忌を1週間後に控えた2 0 0 8年9月下旬,わたしはその伯父の夢を見ました。沖縄県中頭郡北中城村荻道にある実家の家の中から伯父が元気に出て来て,わたしに何かを訴えるような,問いただすような様子で語りかけていました。実家は,今では鉄筋コンクリート造りになっていますが,夢の中では戦後すぐのころの古い家で,伯父も若いときの姿でした。

覚めてもその夢が気にかかり,断食と祈りをもって,伯父の夢の意味,彼の語りたかったことが分かるよう主に願い求めました。そして分かったのは,霊界で改宗しすでに儀式を受けた多くの,義人の霊や自らの先祖たちと接触を持った伯父が,彼らの証に心を動かされ,すでに福音を受け入れ改宗していること。また,わたしがかつてステーク会長という召しを頂きながら,多くの安里家にかかわる先祖たちがいまだ救いの儀式にあずかれていないことに,彼が心を痛めていることでした。─ほんとうに驚きました。自分の身近な先祖については,戦争で焼失しなかった記録にあるほとんどすべての方々について,すべての儀式をすでに終えていると思っていたからです。すぐに長姉と連絡を取り,事情を話してすべての記録の再調査をお願いしました。わたし自身も手元にある先祖の記録の再確認に取りかかりました。

2009年2月,入念な確認作業を行っていた姉から連絡がありました。何と60人もの先祖の儀式が可能だということが分かったのです。急遽記録を整え,3月末の青少年の神殿訪問に同行して可能な限りの儀式を執り行いました。

その神殿訪問は人生で決して忘れられない,わたしの霊を強烈に揺さぶる特別な経験となりました。強い御霊がわたしを包み,数々の神聖な経験を主より頂き,この上ない喜びを感じました。同時に,先祖の方々が喜んでおられるのを感じ,わたしたちの想像をはるかに超えた切実さをもって自らの儀式を待ち望み祈っている,先祖の強い思いと願いに触れました。3日間ずっと涙が止まりませんでした。そして決心しました。探求可能なすべての先祖を見いだし,一人も漏らすことなく儀式を行おう,と。─翌週も神殿を訪問し,新たに見つかった5人の先祖を含めて65人全員の洗いの儀式までをすべて終えました。その直後にさらに,儀式可能な8人の先祖が見つかり,2009年5月,甥に頼んで儀式を終えることができました。

マルコによる福音書には次のように記されています。「イエスは答えて言われた,『神を信じなさい。よく聞いておくがよい。だれでもこの山に,動き出して,海の中にはいれと言い,その言ったことは必ず成ると,心に疑わないで信じるなら,そのとおりに成るであろう。……』」(マルコ11 :22 −23)自らの先祖をお救いするに当たって,この聖句の力強い約束をわたし自身の支えにしようと心に決めました。そしてさらに熱心に祈り,記録を探求するようになりました。

5月に8人の儀式を終えた直後,さらに約30人の先祖の儀式が可能であることが分かりました。非常に大きな喜びと確信がわたしの心に満ちました。強く望み,求めれば,主は必ず道を開いてくださる。このことは真実です。「死者の霊と感化力は,記録を見いだすことに関心を抱いている人々を導くであろう。そのために,彼らに関する記録が地上のどこかにあるならば,必ずそれを探し出すことができるのである。」(ジョン・A・ウィッツォー,Sermons and Missionary Services,230)

2009年6月13日の晩,先祖について深く思いをはせつつ,古い記録を整理していたときのことです。何と,あの夢に現れた伯父から十数年も前に頂いていた記録が見つかり,その中に300人を超える安里家の先祖の名前を見つけたのです。とても不思議な経験でした。まさに主の深い憐れみのなせる業です。この記録からわたしは,20数枚に及ぶ各屋号ごとの系図を作成し,さらに神殿での儀式にいそしみました。この屋号ごとの系図はすべて冊子にまとめ,お盆に親族が一堂に会した際,関係する親族の方々にお配りしました。皆はほんとうに喜んでくださり,今後の協力を惜しまないとの約束を頂きました。親族への伝道と,さらなる系図発掘の大きな助けになると確信しました。400人余りの先祖の記録発掘はわたしにとって大きな奇跡でしたが,それは単なる始まりにすぎないとも感じていました。望み,疑わずに求めれば必ず与えられるはずです。

2009年から2010年にかけて度々神殿に参入する中で,400人の先祖の儀式を急ピッチで進めていきました。それと並行して,すでに儀式の終わっている約3,700人の先祖の記録の整理(PAF5への入力と,ニューファミリーサーチでの確認・更新作業)と,さらなる先祖の記録の発掘を,多くの時間と労力を注いで進めていきました。

その過程で何と,今までどうしても入手できなかった,あるいは入手が不可能だと思っていた,660人を超える新たな先祖の記録が続々と出てきたのです。ある者は町史の戦没者名簿の中から,あるいは移民記録の中から,またある者は,戦争で散逸してしまったと思っていた先祖の記録,すなわち親族の長老が保管していた古い系図記録の中から出てきました。

結局,2011年5月末までの2年半で,約5,000人におよぶ親族および先祖の記録を整理,または最新の状態にし,その中で見つかった1,060人を超える先祖の儀式をほぼ終えることができたのです。これはわたしにとってまさに奇跡でした。しかし奇跡はそれだけにとどまりません。この手記を記し始めた2011年6月12日の安息日の朝,わたしの長姉から電話がありました。興奮気味に語る彼女からの知らせは,さらに1,077人におよぶ新たな先祖の記録を入手したというものでした。わたしが感じた,天にも昇るような大きな喜びは決して言葉で表現することはできません。

わたしたちが望み,疑わずに求める限り,奇跡は必ず起こり,そして続きます。マルコによる福音書第11章22−23節の約束は,わたしにとって決して揺るがない証となり,宝となりました。

「この業に全力を尽くす人々は,ただ系図を集めるだけでなく,幕のかなたから助けを受けることができると,わたしは感じています。幕のかなたにいる人々を助けようとする人はだれでも,人生の諸事全般について助けを得られます。……幕のかなたへ去った人々に助けを与えるとき,幕のかなたから,わたしたちに助けが与えられます。」(ジョン・A・ウィッツォー,“Genealogical Activity in Europe”104)この事柄が真実であることを心から証します。◆