リアホナ2010年9月号信仰の風景

信仰の風景

  藤沢ステーク大和ワード山野井栄子姉妹 

キックボード事件

わたしには4人の子供がいて,3番目の二男は1年生です。その男の子の話です。

今年の5月のある夜,夕飯を食べようとしているとき,近所のお母さんから電話をもらいました。二男がその家のお友達のキックボードを借りて,壊したというのです。いつも穏やかな二男がそんなことするかなぁと思い,事情を聞いて,またお電話をすることにしました。

本人に聞くと,友達の友達から借りて乗ったという話で,自分が乗ったときは壊れていなかったということでした。

実はそのお母さんには,うちのいちばん上のお姉ちゃんと同級生の女の子がいます。その子が神様に興味があったので,以前,お姉ちゃんがモルモン書を渡したのですが,お母さんに「返しなさい」と言われて返してきたのです。電話があったのはその女の子のお母さんからでした。

わたしは,とてもやっかいだなと思い,どうしようかと思いました。そして,お姉ちゃんに話し,二男と3人でお祈りをしました。すると,会いに行きなさいという気持ちと,大丈夫という安心な気持ちを感じました。とりあえず,会って事情を聞いて,キックボードを借りたことを謝り,壊していないことを伝えようと思いました。

夜7時50分ごろでしたが,会いに行きました。ちょうど外は雨が降っていて,お姉ちゃんと3番目の二男と3人でドキドキしながら,その子の住すむアパートの5階を訪問しました。

ピンポンと呼び鈴を押すと,お母さんと,その子と,お姉ちゃんの同級生の子も出てきました。

お母さんから事情を聞き,わたしたちも謝り,二男が乗ったときは壊れていなかったことを伝えました。そして,乗っていたほかのお友達にその子のお母さんが聞いてみることになりました。壊れたキックボードは昨年のクリスマスに買ってもらったばかりで,まだ半年しか使っていないということでした。

そのキックボードを見せてもらいました。キックボードは,部品が取れ,ハンドルを固定するところのネジが1本ないということでした。夕方に探したけれど,少し暗くなっていたので見つからなかったそうです。そのネジが見つかれば直るということでした。

わたしたちも明日の朝早く探すことにしますと言って,帰りましたが,階段を下りていくときに,3人で今,探してみようという話になりました。

外は暗く雨が降っていましたが,3人でお祈りをしました。するとわたしの心の中に浮かぶように,「見つかりますよ」という静かなささやき,思いが聞こえました。また,娘もとても温かい安心した気持ちを感じ,「見つかる」と言いました。二男は何も分からなかったのですが,探すことにしました。

娘と二男は家に戻り,カッパを着て,懐中電灯を持って来ました。そして,わたしと二男は昼に遊んでいた所へ行き,キックボードで滑ったあたりを探しました。

すると,すぐに二男がネジを見つけたのです。こんなに暗くて,雨が降っているのに,ネジがキラッと光ったのが見えたのだそうです。すぐに見つかったことに,わたしはとてもびっくりしてうれしく思いました! また,キックボードを借りた本人が見つけたので,よかったと思いました。

二男は御霊の働きについてまだよく分からないのですが,神様に導かれて見つけてくれました。わたしは二男に,神様が助けてくれたことを話しました。

ほんとうによかったねと言って,3人ですぐにその子の家にこのネジを持って行きました。すると,ピッタリでした。そのお母さんと子供たちは,雨の中を探してくれ,見つけてくれたと,わたしたちに感謝し,とても喜んでくれました。わたしたちは,神様が祈りにこたえてくださったことを心より感謝しました。

また,わたしは後で思い出しました。二男がまだ,御霊の働きについて分からないので,子供たちが御霊の働きを経験できますようにと,最近お祈りをしていたことに。そして,この経験はその答えだと気がつきました。

また,一見悪い状況だと思いましたが,モルモン書を返してきた子のお母さんと少し仲良くなれました。神様はその家族を愛され,導いてくださっていること,また,娘の働きを祝福してくださっていることが分かりました。

ほんとうにわたしたちは福音の中で生活でき,祈ることができ,御霊の助け,守りを受うけられることに感謝しています。神様が生きていてわたしたちの祈りを聞いてくださることを証します。◆