リアホナ2008年2月号 宗派を超えて主を賛美する「メサイア」

宗派を超えて主を賛美する「メサイア」

── 教会員が発起人となり,諏訪市のクリスチャンや音楽家と連携

長野県の諏訪支部の会員である浅間由美姉妹,中村信行兄弟が中心となり,第1回「メサイア」チャリティ演奏会が2007年12月15日(土)に行われた。ソリスト,合唱,楽器アンサンブルは,地元の音楽関係者,末日聖徒と他宗派の教会員,日本語メサイア発祥の合唱団「木曜会」などから集まり,多彩な顔ぶれとなった。

指揮者は中村信行兄弟,出演者は総勢51人。その内訳は,末日聖徒が13人,日本語メサイア発祥の合唱団である元三鷹木曜会合唱団員10数人,それに地元のプロの音楽家や,キリスト教他宗派の人々などが加わっての混合コラボレーションという形を取った。鈴木和夫兄弟と中村三和子姉妹がナレーターを務める中,会場となったマリエール諏訪のヨーロッパ・カテドラル風建物に荘厳な歌声が響いた。場内は約250人の聴衆で埋め尽くされた。

プロテスタントの教会員から諏訪支部の宣教師まで合唱に参加しており,広報宣伝活動は,諏訪地区の4つのカトリック教会,3つのプロテスタント教会にも広げられた。

約2時間半のコンサートでは,第一部「預言とキリストの出現」,第二部「キリストの受難と勝利」,第三部「復活と神の栄光」が,中村信行兄弟の指揮の下,最後まで力強く歌い上げられた。

遠方より参加したメンバーの一人である吉田憲博兄弟は「故郷の諏訪で,母や叔母のほか,40年ぶりに再会した恩師や同級生,故郷の友人の前で歌うという夢が実現しました」と感慨深く話す。

主催者である浅間由美姉妹は,日本語によるメサイアを歌い上げたことを振り返ってこう述べた。「聴衆の皆様にその意味が理解され,作曲者ヘンデルの魂が演奏者と聴衆の心に融合し,会場に主の御霊が豊かに注がれたことや,キリスト教各派の聖職者や会員の皆様が来場されたことに感動しました。地元の日本キリスト教団の会員の方々,ルーテル教会の牧師ご家族,地元国際クラブのリーダーの方々などを始め,たくさんの方々から,何よりも良いクリスマスプレゼントとなりましたとの言葉を受け,励まされました。信州での音楽活動も15年目を迎え,聖歌団を中心に多くの心温かい方々のご協力を得て新たな方向性を見いだせました。これからも神様が出会わせてくださった方々と,宗派を超えて互いにクリスチャンとして,続けて楽しく交流していきたいと思います。」

来場したカトリック諏訪教会の神父は「感動しました。信者たちを連れて行ってほんとうによかった。神が与えられた音楽の力と使命を再認識し,御霊を感じました」とその喜びを語った。あるシスターは「演奏会の間中,祈りの中にいられたことに感謝しました。神の愛と主の贖いと復活を思い,そして多くの慰めもいただきました」と話した。日本キリスト教団上諏訪教会の西川牧師からは「メサイアには感動しました。出席した会員も日本語でメサイアを聴くのは初めてと大感動でした」との手紙が寄せられた。

諏訪支部の越中隆雄支部会長は,音楽による伝道活動について次のように語る。「1970年に諏訪の地に伝道が開始されて37年。古くからの伝統を大切に残しているこの地で,末日聖徒は主の福音を広めるために様々な方法を行ってきました。2007年は新しい試みとして音楽を通しての伝道を進めた年となりました。神への想いと一致,そして歌う技術をより高めるとき,教会員のみならず,一般のまだ福音を知らぬ人々や,他の宗教の人々も御霊を感じることができます。それぞれの方々から多くの感謝の言葉をいただきました。この大いなる一歩を踏み出すことができたのも,長年誠実にこつこつと音楽の仕事を続けてこられた浅間姉妹や,様々な地で地道に『メサイア』に取り組んできた中村兄弟をはじめとする多くの人々が,導きに忠実に,そしてその働きを続けてこられたからです。」

地元のテレビ局での放映や新聞での報道がなされ,演奏会終了後も多くの方々から感動と反響のメッセージが発起人の浅間姉妹に届けられた。なお,演奏会の収益金はヘンデルに倣い,福祉施設に全額寄付された。◆