リアホナ2007年3月号BYUHを主席で卒業した留学生

BYUHを主席で卒業した留学生

昨年12月16日に催されたブリガム・ヤング大学ハワイ校(BYUH)の卒業式において,吉田恵太郎兄弟(さいたまステーク坂戸ワード)が卒業生総代としてスピーチを行った。心理学部で学んだ吉田兄弟は全卒業生中,首席での卒業となり,2番目と3番目の成績で卒業した学生が卒業式で開閉会の祈りをささげた。

「もっと高い教育を受ける」必要性と「日本の崩壊しかけている多くの家族を助けられる専門家になりたい」という夢に後押しされた吉田兄弟は,結婚後に家族3人での留学を決意した。しかしながら,留学前の英語力,特に語彙力が非常に乏しかったと振り返る。入学後も「下から3番目」の語学クラスで学ぶことになり,簡単な日常会話もほとんどできない状況だったという。「語学クラスを修了した後も,教科書をきちんと理解する,まともな英語の文章を書くという基本的な作業に膨大な時間がかかりました。(しかし,)初めは英語の実力が低かったとしても,頑張ればアメリカ人の優秀な学生と同等の成績を残すことはできますので,これから留学を考えている人たちにも,自分に限界を作らずに頑張ってほしいと願っています」と話す。

家族で留学した吉田兄弟の努力は並大抵なものではなかった。「留学中に二人目と三人目の子供が誕生し,家庭,勉強,仕事,教会の責任という4つのバランスを取ることが最大のチャレンジでした。子供が生まれたのが,ちょうど学生生活でいちばん大変な時期でしたが,何とか乗り越えられたのは,妻の大きな忍耐と信仰のおかげです。」

卒業式の朝食会と昼食会に招待を受けた恵太郎兄弟と妻の糸真姉妹は,昼食会で十二使徒のワースリン長老の隣の席に招かれ,大学で学んだことや将来の仕事について話す機会にも恵まれた。

卒業生総代として,また日本人卒業生として臨んだスピーチは,式典に出席した人々に感銘を与えるものとなった。「卒業生のみなさん,わたしたちは人生の中においても,とりわけ重要なことを成し遂げました。しかし,それを成し遂げることができたのは,多くの祝福,特に,主の導きのおかげであるということを忘れてはなりません。わたしたちはただ自分の利益を求めて働くためにではなく,自分に与えられた神聖な使命を果たすために巣立っていきましょう。」

吉田兄弟はさらに「家族」をテーマとして学問を究め,悩みを抱える日本の家族が,福音を基礎とした家庭生活を学び,家庭の中にもっと喜びを見いだす手伝いができたらと願っている。◆