リアホナ2006年12月号信仰の風景

信仰の風景

2006年8月下旬,日本初開催のFIBAバスケットボール世界選手権,そのファイナルラウンドがさいたまスーパーアリーナで開催された。予選リーグを勝ち抜いた世界16か国代表の強豪プレーヤーが世界一のタイトルを賭けて戦う。そのニュージーランド代表チームの中に一人の末日聖徒のビショップがいた。パオラ・ウィニタナ兄弟,29歳のプロバスケットボールプレーヤーである。

12歳で改宗したウィニタナ兄弟は,1995年にニュージーランドのチャーチカレッジに入学した。在学中,バスケットボールの高校ナショナルチャンピオンシップで優勝する。このころ伝道への希望を抱き,1999年から2001年にオーストラリア・シドニー北伝道部へ召される。帰還後は,教会で奉仕するとともに,プロバスケ選手として続けて生計を立てた。高校時代に出会ったティア姉妹とニュージーランド・ハミルトン神殿で結婚し,現在3歳と1歳の2人の息子の父である。2006年3月にニュージーランド・ヘイスティングスステーク,ヘイスティングス第1ワードのビショップに召されたウィニタナ兄弟は,その生活を通して次のように証する。

「ビショップ,夫,父親,そしてプロのバスケットボール選手としてバランス良く生活するのは難しいことではありません。ただ,すべてのことにおいて主を第一にするだけです。後は御心を果たせるよう主が助けてくださいます。バスケットボールと日曜日に関しても,日曜日にはたくさんの試合がありますが,わたしが所属するチームは,わたしが安息日に出場しないことを知っています。過去には,契約金を増やすことでわたしを説得しようとしたこともありましたが,わたしは断りました。あるときは,日曜日に出場しないため,契約を破棄すると言われたこともありましたが,そのときはこう言いました。『けっこうです。これはプロのスポーツですから,皆さんがプロとして出された決断を受け入れましょう。ただし,わたしが自分にとって神聖なものに対して忠実だったことは忘れないでください。』おかしかったのは,その10分後に,日曜日に出場しないことをコーチが了承し,契約が結ばれたことです。」

「わたしは福音がまさに真実であることを知っています。福音の教えに従って生活するなら,永遠だけでなく,この世においても平安と幸福を得ることができます。正しいことのために立ち上がり,義にかなった徳や原則に忠実であることは,現代において難しいことですが,今こそそれが必要であることを知っています。信仰に忠実でありたいという強い望みを持つなら,天のお父様が強さと勇気とそれに必要な助けを与えてくださることを知っています。わたしは福音を心から愛しています。この証と,美しい妻,息子たち,家族,わたしに授けられた神権に感謝しています。また,奉仕の機会とこの人生,教会の教えに従

って生活することを選ぶことで得られる祝福に感謝しています。ハロルド・B・リー大管長が救い主について語られたときのことを忘れません。『主の助けがあれば,わたしは失敗することがありません。しかし,主の助けがなければ,わたしは成功できないのです。』わたしは個人的な経験からこれが真実であることを知っています。わたしは続けて福音に従って生活し,出会う人々にも同様にするよう勧めていきます。イエス・キリストの御名により,アーメン。」◆