渡部正雄生誕100年記念の集い

6月20日,横浜ステークセンターで,渡部正雄(わたべ・まさお)生誕100年記念の集いが開かれました。

アジアで最初の祝福師である渡部正雄兄弟は,日本の教会の開拓者として知られています。1914年,満州に生まれ,ハルピンで外務省の官立ロシア語学校に学びました。卒業後,1938年に北京で外交官としてのキャリアをスタートします。終戦の後,仙台の外務省の事務局で働いていたとき宣教師と出会い,1949年,仙台で最初の改宗者となりました。ロシア語、中国語に堪能であった渡部兄弟は、戦後独学で英語を学び、教会の翻訳者としても働き、「昇栄」という訳語を考案しました。晩年にはハワイ神殿,東京神殿の宣教師として,また台湾台北神殿の神殿会長会顧問として奉仕しました。渡部兄弟は2005年,合衆国ユタ州オレムで90年の生涯を閉じました。

この日は,仙台と,後に渡部家族が暮らした横浜ゆかりの教会員が集まり,生前の渡部ご夫妻を偲びました。渡部家の子供たちが次々に登壇し,渡部ご夫妻のエピソードを紹介したほか,斉藤 勉(さいとう・つとむ)兄弟が横浜時代の思い出を,福田 真(ふくだ・まこと)前東京神殿会長が仙台時代の思い出を語りました。

また,みくに国際学園という全寮制の学校を設立する準備が紹介されました。この学校の目的は,福音を土台とした環境で,英語と専門科目を青少年に教え,国際的な大学教育を受ける準備をさせることです。

渡部正雄兄弟の夢でもあった学校設立に賛同する全国の有志たちが理事となりました。学長には,元合衆国下院議員のノーマン・D・シャムウェイ兄弟が招聘(しょうへい)されています。この日,理事のひとりである渡部正和(わたべ・まさかず)兄弟がプレゼンテーションを行いました。正和兄弟は渡部家の三男で,ブリガム・ヤング大学の教授を務めています。

それに伴い,渡部正雄奨学金基金の設立が発表されました。幾つもの言語を駆使して主の業に献身した渡部兄弟の生涯にちなんで命名されたものです。

この基金に一千万円の寄付をした実業家のリチャード・L・フォルソム兄弟へ感謝状が贈られました。