Book Fair 2015

第22回東京国際ブックフェアに教会が出展

2015年7月1日から4日にかけて,日本最大の本の展示会である東京国際ブックフェアが開催され,教会は4度目の出展を行った。会場となった東京ビッグサイトでは,名誉総裁の秋篠宮殿下・妃殿下をはじめとするVIPのテープカットが華やかに執り行われ, 連日,多くの来訪者でにぎわった。この催しには4日間で6万7,570人が来場した。

教会の展示の主眼はこれまでの3回の出展と同様に,モルモン書の存在を世にアピールすることにある。ちなみに最近は,国際社会で頻発する宗教がらみのテロ事件から,「宗教とは何か」という関心が日本社会一般に広がっている。そこで今年は,キリスト教の信仰とは何か,という解説を切り口に,モルモン書を紹介する展示が企画された。

イエス・キリストについての旧約聖書のイザヤの預言に始まり,降誕,そして死と復活にスポットが当てられる。イエスの復活が全人類に及ぶところにキリスト教徒の信仰と希望がある,と説明し,今年春のイースターキャンペーンで76万回再生された動画『イエスが生きておられるので』が上映された。キリスト教の文化的背景がない日本人にとってのイエス・キリストとの接点とは,イエスが復活した事実そのものにあるという切り口からキリスト教信仰を理解してもらう試みであった。新約聖書には,復活したイエスと500人以上の信徒たちが会ったという記述※1がある。同様に『モルモン書』とは,復活したキリストの手足の釘跡と脇の傷に触れた2,500人の証言※2が記された『もう一つの証』である,という位置づけで紹介された。

また,イエス・キリストの生涯と,アメリカ大陸での出来事が並行して描かれる映画『The Testaments:証 一つの群れ,一人の羊飼い』のDVDも上映され,来場者の目を引いていた。

これまでの出展時とは違い,ブースには4人ほどの教会員が常駐するのみで,モルモン書やパンフレットを積極的に手渡すこともしない。モルモン書が積み上げられ,「ご自由にお持ちください」との表示があるだけだ。それでも,否,むしろそれだからこそ,モルモン書を手に取って持ち帰る人が絶えることはなかった。4日間の会期を通して1,000冊あまりのモルモン書が持ち帰られた。「日本人は積極的に売り込まれるのは苦手です。あまり声をかけないで,気楽に入って自由に見てもらった方がいい」と,地域広報ディレクターの関口治兄弟は過去3回の出展経験を踏まえて語る。

来場者アンケートは昨年同様に実施された。その対象は青少年から30代までの若い世代中心にであった。その意図を関口兄弟はこう説明する。「地域会長会や伝道部会長が若い世代の方々の改宗を期待しているという話をよく聞きます。広報部としては,若い方々の改宗に先立ち,彼らが教会に対してどのようなイメージを持っているのか,どのような媒体を通じてそのような印象を受けているのか,また,彼らに効果的にメッセージを伝えるために適したSNSは何であるのかなどに関心があるのです。」◆

※1……1コリント15:5-8

※2……3ニーファイ11:14-15;17:25も参照