リアホナ2005年7月号異国の地で奉仕して──アルゼンチン・ブエノスアイレス神殿

異国の地で奉仕して──アルゼンチン・ブエノスアイレス神殿

永友栄子姉妹 鹿児島地方部都城支部

わたしたちは15年前に主人の仕事でアルゼンチンの日本人学校に行くことになりました。外国は治安が悪く,どこの国に行くのかも分からないので,初めはあまり気が進みませんでした。しかし祈っていると外国に行くという確信が強くなっていきました。それで,「もし,日本人学校に行くのなら,神殿のある国に行かせてください。」と熱心に祈りました。そのころは神殿のある国は合衆国以外では10くらいしかなかったと思います。アルゼンチンに行くことが決まったとき,神殿があるかどうかすぐに聖徒の道を調べました。するとちょうど1年前にブエノスアイレス神殿が奉献されていました。心が喜びでいっぱいになりました。

アルゼンチンは日本のちょうど裏側にある,日本から最も遠い国の一つです。どんな国なのかそのころはほとんどの知識がありませんでしたので,空港に着いたときはとても不安でした。しかし,空港から市街地に行く途中公園がずっと続き,その公園を過ぎた左手に銀色に輝く美しい建物が見えてきました。最初に見た建物はなんと,ブエノスアイレス神殿でした。わたしたちはバスの中で顔を見合わせ,感謝の涙と平安につつまれました。そして主がほんとうに祈りにこたえてくださったという強い確信と証を得ることができました。

日本を出る前にわたしたちは,週に1回は神殿に参入しようと決心していましたので,最初は5時に家を出て3回バスを乗り換え,2時間かけて神殿に行っていました。しかしもっと近い方法が分かり,1時間ちょっとで行けるようになりました。そして車を購入してからは40分で行けるようになりました。

1年半して神殿から,「神殿長から面接を受けてください。」との電話をいただきました。神殿長の所に行き面接を受けると,「週に1度か2度,神殿で奉仕してくださいませんか」と言われました。わたしたちには思ってもみないことだったので,とても驚いたのですが,感謝して受けさせていただきました。そして日本に帰るまでの1年半をブエノスアイレス神殿で奉仕させていただきました。スペイン語は慣れない言葉で難しかったのですが,神殿で奉仕の召しを頂いてから急に言葉が分かるようになり,儀式の言葉もよく覚えることができました。ほんとうに神殿は不思議な所です。

また,兄弟がホームティーチングをしていた,教会から遠ざかっておられた会員の姉妹が活発になりました。同僚を誘って初めてホームティーチングに行ったとき,兄弟はその姉妹に「日本語でもいいから」とお祈りを頼まれました。そして彼女は教会に集うようになられました。後に断食証会の日,「永友兄弟が祈ったとき,言葉は分からなかったけれど『御霊』をとても強く感じ,教会に戻りたいと思った」と,証をされました。その後,御主人と子供さんたち3人がバプテスマを受けられ,1年後に神殿で家族7人の結び固めをされたとき,彼らの儀式に立ち合うことができました。アルゼンチンで多くの兄弟,姉妹と友達になり,すばらしい3年間を過ごすことができましたことに心から感謝しています。◆