奉献式・定礎式

奉献式・定礎式

殿の南東の角には,最後にはめ込まれて神殿の完成を象徴する定礎石がある。定礎石で蓋をされる場所にはステンレス製の箱が収められ,中には聖典をはじめとする教会書籍,モンソン大管長の著書,北海道と青森の歴史書,札幌神殿地区の教会歴史,神殿建設過程の記録,神殿関連記事が掲載された新聞・雑誌・教会機関誌,写真,奉献の祈り,日本国旗などが封入されている。神殿奉献に先立つ8月19日(金),神殿内の一室に札幌神殿委員会と神殿会長会,神殿部の代表者らが集まり,封入式が行われた。参列者が封入物を一つ一つ箱に収めていき,最後にアルマ・O・テーラー訳『モルモン』(1909年刊の初版本)が入れられる。これは,1955年に北部極東伝道部会長として日本に赴任したポール・C・アンドラス兄弟(91歳)から,札幌神殿に収めてほしいと寄贈されたものであった。箱はその場でネジ止めされ,札幌神殿のデザイン(基本設計)を行った建築家のオットー・ゲーリング兄弟がコーキング剤を注入した。

美しく晴れ上がった8月21日(日)の朝,奉献式第一セッションの一部として,この定礎石に預言者と中央幹部,神殿会長会の夫妻と地元の子供たちがモルタルを塗る定礎式が行われた。これら奉献式の模様は主要な集会場に衛星中継され,全国の会員が放送を通じて奉献式に参加した。神殿内で第三セッションに出席した兄弟はこう語る。「奉献式は特別な経験でした。『主の宮,聖きを主にささぐ』ということを自分の体に刻みなさいとスティーブンソン長老は言われました。わたしもそのようにしようと心に深く感じ,生涯心に刻んで歩んでいく必要があるとを通して知ることができました。子供を小さいときからいろいろな所へ連れて行きましたが,とうとう一緒に神殿へ参入できて,すばらしい経験となりました。」