御み心こころ を求め,本当に志す道へ

御み心こころ を求め,本当に志す道へ

◎若人への提言

伝道,結婚を経て,ブリガム・ヤング大学プロボ本校で年間最優秀卒業生の称号を授与される
ジョンソン 金城 かなさ姉妹


金城かなさ姉妹は,受験生のときに一日6 時間から10 時間勉強し, ブリガム・ヤング大学(BYU)ハワイ校に合格し,美術を専攻した。しかし, 周囲からは「美術を学んでも仕事に就くのは難しいので,もっと就職に有利な分野を学んだらいい」と諭され, TEASOL(英語教授法),心理学なども履修するようになる。その後.イギリス・ロンドン伝道部に召され,専任宣教師として奉仕した。
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伝道から帰還後,成績優秀だったこともあり,BYU プロボ校に編入する。大学を休学しての伝道,そしてプロボ校への編入に際して,最も大きな力となったのは断食と祈りだった。姉妹には伝道は義務づけられていないことから,当初は学業を優先しようと思い,プロボ校への編入も全く頭にはなかった。しかし断食と祈りを行う度に,主の御心をはっきりと感じるようになり,伝道に出て,プロボ校に編入する道を選ぶことになった。


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プロボでは運命の出会いが待っていた。現東京南伝道部会長のワーニック教授の日本語クラスを履修した際,ジョンソン兄弟と出会い,8 か月の交際を経て学生結婚。「学業との両立は大丈夫かとよく聞かれましたが,兄弟がそばにいて助けてくれるのが一番の力になりました」とかなさ姉妹は語る。



結婚後,姉妹の専攻においても大きな変化が起る。「就職に有利な科目としてArt 教育学を学び,できるだけ早く卒業したい」という思いから,「たとえ時間がかかろうと,志す美術をより深く学びたい」という姿勢に変わり,卒業まで教育実習を残すのみとなった時点で, Bachelors of Fine Art(美術学士)を専攻することにした。ここでもジョンソン兄弟の勧めと支援が大きな助けとなった。この専攻では,ただ作品を作るだけではなく,その作品にどのような意味を持たせ,自分の考えや伝えたい事を明確にするという現代美術の哲学を学んだ。難しかったが,とてもやりがいを感じた。



レッスンの進め方も他のクラスの講義形式とは大きく異なっていた。少人数クラスで,まずは担当の先生と一対一で面談。自分の課題を設定した後に,課題制作に至るまでの資料やリサーチ法の選定といったプロセスを策定する。そして,週6 時間の授業の他,さらに9 時間の勉強が毎週課され,その計画を立てる。そして一連のプロセスから得た成果, 失敗,次の課題についてのレポートが求められる。実際に制作した作品は,提出後, 教師と生徒を交えて相互に評価が行われ,作品のコンセプト等が細かく問われた。一つの課題はここで完了し, 次の作品に向けてまた同じプロセスが続き,次の作品に向けてどう進化させるかが問われてゆく。かなさ姉妹はここから学んだ経験について次のように語る。「このような学習過程を通じ,試験の点数を気にしなくなりました。今までは,授業を真面目に聞いて,テストに向けて勉強し,できるだけ良い点数,良い成績を取るのが目的でした。でも,このように深く考え,作り上げ,批評し合う学習過程を通じて,点数以上の価値を見いだすようになりました。テストの点数は, 試験とともに終わるものですが,制作した作品はずっと残り続け,次へとつながっていくのです。」


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点数を気にしなくなり, かなさ姉妹は厳しいながらも本当に志す学問を存分に学ぶ喜びを得た。その成果は思いもかけない形で表れた。卒業式を前に, 担当教授から連絡があり, 卒業式とタレント・アワード(奨学金を授与する集会)でスピーチとプレゼンテーションをするよう依頼された。突然の要請に戸惑いながらも熱心に準備し, 卒業式に臨んだ。伝道,結婚…… 迷い悩んだ末に本当に志す道に立ち返り,本当の学ぶ喜びを得た6 年半の奇跡を語るかなさ姉妹のスピーチは出席者の深い共感を呼んだ。タレント・アワードでのスピーチを終えると,司会者がかなさ姉妹にその場で立つよう促す。今年度のOutstanding Graduating Senior(最優秀卒業生に贈られる称号)がかなさ姉妹に決定し,奨学金も授与されることが発表された。伝道,結婚,芸術分野の選択等,かなさ姉妹は断食と祈りを通じて.大切な選択を御霊の導きのままに行ってきた。一般的に就職に不利とされるように思われる各々の選択の積み重ねが,卒業時には最高の栄誉と祝福となってもたらされた。今後は大学院進学を望んでいるという。 
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留学をこれから目指す人に対し,かなさ姉妹は次のようなメッセージを贈る。「留学の経験は,異なる文化,価値観に触れるまたとない機会となり,自分の視野が確実に広がっていきました。それは結婚生活においても大きな助けとなりました。留学中は,必ずと言っていいほど,自分の計画や思い通りには行かず,『どうしてうまく行かないんだ』と悩み,挫折するときが訪れますが,主の御心は別に存在することが往々にしてあるので,決してあきらめずに計画し直し,実行するときに,主が自分の想像以上のすばらしい未来を与えてくださると思います。」 ◆