リアホナ2005年1月号 天使モロナイ像,奉献式から25年目に東京神殿の空へ舞い上がる

News Box 天使モロナイ像,奉献式から25年目に東京神殿の空へ舞い上がる

去る12月10日,東京神殿のシンボルタワーに天使モロナイ像を設置する工事が行われた。500人近くの会員たちが見守る中,重さ150キロのモロナイ像は100トンクレーンでつり下げられ,地上約50メートルの尖塔の先まで舞い上がった。

この日,曇天ながら穏やかな朝を迎えた東京神殿では,正門脇の枝道を封鎖して大型クレーンの準備が始まった。午前9時ごろには,歴史的な瞬間に立ち会おうと会員たちが集まり始める。神殿前の舗道が狭いため,多くの会員は東京神殿に隣接する有栖川公園から設置の模様を見守った。

午前11時7分,クレーンの準備が整い,玄関ロビー上の屋上に小型クレーンで前日から運び上げてあったモロナイ像が,垂直につり下げられて全容を現した。折から頭上を覆っていた雲は薄くなり,雲を透かして青空が現れ始める。柔らかな初冬の日差しがモロナイ像を金色に輝かせた。

この像はグラスファイバー製で,頭から足下まで3メートル23センチ,球体まで含めると3メートル95センチに達する。モロナイの掲げるラッパの全長は1メートル14センチ,口径は約25センチで真東の方向に向けて設置される。もともと東京神殿のシンボルタワーは地上55メートルの高さがあったが,像の重量を支えつつ風圧にも十分な強度を確保するためにタワーの先端部分を切除,像の台座を設置した。結果的にシンボルタワー全体の高さは,モロナイ像を含めて,設置前の高さとほぼ等しくなっている。

この記念すべき工事に先立ち,シンボルタワーの周囲には足場が築かれ,白い養生シートがかけられていた。ステンレス製の尖塔も磨き上げられ,化粧直しをされた格好であった。設置直前の12月5日未明,東京地方は台風27号が変化した温帯低気圧による季節はずれの大嵐となり,瞬間最大風速40メートルを超える観測史上最大の暴風が吹き荒れた。この風を受け,シンボルタワー足場の鉄パイプが曲がってしまった。関係者はタワー本体の被害を非常に心配したが,幸い目立った傷もなかったという。

当日は,南東に向いた尖塔正面のシートが一部取り除けられ,モロナイ像の設置に備えられた。立ち上がった像の前では地域会長会,神殿長会などが教会員を代表して記念撮影を行う。神殿の正門では,日本宣教師訓練センターの宣教師とロリン・ドワイト・ピンコック所長夫妻が「信じ,進まん」など数曲の賛美歌を披露する。やがて,道路向こうで見守っていた数人の宣教師たちが「み使い空に」(賛美歌119番)を歌う中,モロナイ像は神殿正面のステンドグラスに添って引き上げられ,まっすぐシンボルタワーの先端まで運ばれた。待機していた建設作業員が像を確保,尖塔の先に固定する。ややあって作業員が無事完了のサインを出すと,見守っていた会員たちの間から拍手がわき起こった。

尖塔の上にたたずみ,夜明けの方角にラッパを掲げるモロナイ像は,かつて「日の出ずる国,教会の出ずる国」とヒンクレー大管長が形容し,「歳月とともに,世界をあっと言わせるようなものとなる」とグラント大管長が記した日本の教会に,新しい時代を告げるかのようであった。◆