リアホナ2004年6月号 ブリガム・ヤング大学教授日本の財界人に仕事と家庭の調和を説く

ブリガム・ヤング大学教授日本の財界人に仕事と家庭の調和を説く

去る5月  11日から  15日までブリガ ム-ヤング大学ブロポ校家族・家 庭・社会科学部副学部長で家族生活学科 教授のジェームズ .M. ハーパー博士が来日した。ハーパー教授は 13日,「仕事と生活のバランス」をテーマに在日米国商工会 議所で聞かれた日米財界人対象のシンポジウムに出席した。パネラーとして,末日 聖徒はハーパー教授のほか,東京スター銀行頭取のタッド・バッジ兄弟も登壇した。日本側からは厚生労働省の諮問機関である「仕事と生活の調和に関する検討会議」 諮問委員の宮城まり子立正大学助教授が パネラーを務めた。シンポジウム終了後 ハーパー教授は,厚生労働省の山越敬一 担当課長,また同検討会議の座長である諏 訪康雄 法政大学大学院教授と会談し,意 見を交換した。   14日にはライオンズクラ ブの役員らと会談したほか,町田ステーク センタ にてファイヤサイドが聞かれた。

ハーパー教授はその講演の中で,仕事と私生活との関係は,単に相反するもののパランスを取るという関係ではなく,互いに調和(Harmonize)し合うべきものだ , と述べた。音階やリズムやテンポが調和し共鳴し合って美しい音楽が奏でられるように,父親夫また職業人といったそれぞれの役割すべてが大切な人生の要素であって,それらが調和し共鳴することで生活全体が高められ,結果的に生産性も向上するのだという。そのために ,発達した ITの活用によるバーチャルオフィスや在宅勤務・フレックスタイムなどの導入によって家族と過ごす時間を増やし,ストレスの少ない職務環境を構築する必要がある,と説いた。「己れは単に総務や人事が福利厚生として取り組むことではなく,優秀な人材の確保と生産性の向上のために,経営のトップが企業の生き残りを賭けた戦略として検討すべきことです。かつての経営者はオフィスでいかに長時間働いたかを吹聴したものですが,今は短時間でいかに成果を上げたかが問われます。  20年後には,都会の高層ビルのオフィスの半分は空室になっていることでしょう。突飛に聞こえるかも知れませんが,かつても農業中心の社会が数十年で勤め人中心の社会に変化したのです。……他人に管理されるのではなく,自分で自分の人生を作曲し,指揮棒を振り,壮大な人生のシンフォ二ーを奏でてください。」。