リアホナ2015年4月号 地元の奉仕団体に教会堂を開放

地元の奉仕団体に教会堂を開放

地元の河川保全に宣教師や会員が奉仕─横浜ステーク川崎ワード

横浜ステーク川崎ワードの教会堂の脇に幅2〜3メートルの小さな川が流れている。名を「二ヶ領用水」という。多摩川を水源とする全長約32キロの人工用水路で,徳川家康が命じて作らせ1611年に完成した。神奈川県下で最も歴史あるこの川を守ろうと,地元の有志の方々が「二ヶ領用水ウォッチング・フォーラム」という美化ボランティア団体を結成し,定期的な清掃活動を行っている。この清掃活動に,川崎ワードの宣教師たちが地域奉仕の一環として2年ほど前から毎月(第3土曜日)参加している。地元と教会との交流はそこから始まった。宣教師の奉仕の様子は地元のミニコミ紙にも掲載された。

地縁でつながる教会と地域

2015年1月31日(土),川崎ワードの教会堂を開放して,「二ヶ領用水ウォッチング・フォーラム」の活動説明会が行われた。

同団体代表の阪口拓造さんが前に立ち,ビデオを見せながら,四季折々の用水沿いの景観の魅力を紹介しつつ語る。「何たって川崎の宝ですから,宝にふさわしい用水にしないと。今400年たったところなんですが,その先に,もっと先に500年というのがありますよね。その500年に引き継いでいくためには問題があるんじゃないか,そう思ってわたしどもがきれいにして,そして水辺から町全体をきれいに,と思いは大きく活動をしています。」

活動紹介の後に,3.5メートル先のごみを拾えるマジックハンドを使った清掃方法の実演が行われた。毎回参加している宣教師たちは慣れた手つきでマジックハンドを操り,川に見立てたブルーシートの上の空き缶を拾い上げてみせた。

アイダホ州出身のラネイ・ファイスト姉妹は昨年10月から川崎ワードに赴任,清掃に参加し,ボランティア団体の皆さんともすっかり顔なじみになった。「(ボランティアの)皆さんの助けには本当にきれいな気持ち(純粋な動機)があります。マジックハンドを使うのはすごく楽しいですよ!もっときれいにしたいという気持ちになりました。(地域の)子供たちと一緒に清掃したこともありますよ。すごくかわいいし,子供たちも(宣教師と交流して)すごくうれしくなります。それを見て幸せです。」

阪口さんは言う。「この末日聖徒イエス・キリスト教会のすぐ前を(用水が)流れている,そういう意味では,本当にこの教会の皆さん方にお世話になって用水をきれいにできている,わたくしどもも大変幸せだと思います。」

川崎ワードビショップリック顧問の山下心平兄弟は,生まれも育ちも川崎,幼い頃から川崎ワードに集い,二ヶ領用水を見て育ってきた。昨年久しぶりに川崎へ帰って来て用水を見たら,こんなにきれいだったかな,と感じた。聞くと宣教師たちがお手伝いするボランティア団体が清掃しているという。そこで山下兄弟も4歳と2歳の子供を連れて清掃活動に参加した。

山下兄弟はこの説明会で,川崎ワードを代表してこう挨拶した。「皆様のおかげで川がきれいに保たれているのを知って非常に感動しました。すばらしい活動だと思います。ボランティア活動はわたしたちの教会も重要視しています。宣教師は自国また故郷から自費で来ています。わたしもかつて宣教師として2年間の青春時代をボランティア活動に過ごしました。彼ら宣教師の本来の目的はイエス・キリストの福音を告げ広めることですが,同様にこのような形で地域に貢献していきたいと願っています。また教会としてもこのような形で地域に貢献していければと願っています。」◆