リアホナ2014年9月号 日本の全伝道部で宣教師がタブレット端末を使用へ

日本の全伝道部で宣教師がタブレット端末を使用へ

─宣教師管理部のデビッド・F・エバンズ長老,教会の伝道への取り組みに関する最近の状況について語る

ソルトレーク・シティー発—

末日聖徒イエス・キリスト教会のより多くの宣教師は今後,アメリカやカナダ,日本,西ヨーロッパにおいて福音を宣のべ伝える際にデジタル機器を使うことになる。昨年の秋からアメリカと日本の30の伝道部の6,500人の宣教師に対して行われていた試験的なプログラムの成功を受け,大管長会と十二使徒定員会はモバイル機器の使用を拡大することを決めた。宣教師は特別な設定を行ったiPad miniを所持し,それを使って福音を学び,教えることになる。

教会指導者はまた,アメリカやカナダ,日本,西ヨーロッパにおいて,1 年以上にわたる試験的実施に続いて,これらの地域にてオンラインによる伝道活動の導入を行う予定である。教会の訪問者センターで働く姉妹宣教師も,毎日の活動の中でデジタル機器を使用し,オンライン伝道を行っている。これまで35 の伝道部の何千人もの宣教師がモバイル機器や,教会,図書館,その他の承認された場所のコンピューターを使ってFacebook などのソーシャルメディアを利用してきた。オンライン伝道活動は,これからもそれぞれの任地の地域に焦点を当てたものとなる。

教会は2015 年の初頭までに,162 の伝道部の3 万2,000人以上の宣教師がモバイル機器を使うようになることを想定している。この拡大は年内に始まる予定である。宣教師は,自転車を購入するのと同じように,あらかじめ設定を行ったiPad mini を購入するように求められる。購入したiPad mini は伝道後も自分で使うことができる。この400 米ドルの機器を購入することができない人に対しては補助がある。

「これはとてもすばらしい出来事です。」七十人第一定員会会員であり,教会の宣教師管理部管理ディレクターのデビッド・F・エバンズ長老はこう述べた。「これは計画する際や,また地元の指導者たちと連絡を取る際,伝道部会長と連絡を取る際,また現在教えている求道者〔や〕,以前同じエリア,または違う場所で教えていた求道者と連絡を取る際に,とても効果的なツールです。」

新しい技術は既存の宣教師ツールを向上させる。モバイル機器にはエリアブックプランナーというアプリが搭載され,現在使用している,印刷版の宣教師デイリープランナーとエリアブックに取って代わる。福音ライブラリーアプリには聖典や手引き,機関誌やその他の教材が入っている。

「そして,伝統的な伝道方法が世界の多くの場所でとてもうまくいくことをわたしたちは知っています」とエバンズ長老は述べた。「一方,テクノロジーや都市生活が発達し,宣教師が人々とコンタクトを取るのが難しくなっているような場所では,このようなツールがさらに役に立つことを願っています。」

将来的には宣教師がモバイル機器を使って,宣教師訓練センター(MTC)に入る前から正式な伝道の準備を始め,伝道地に行ってからは教える能力を高めるための言語や福音の学習に活用するようになることを教会指導者たちは想定している。

宣教師はまた,生涯にわたる適切なデジタル機器の扱い方を身につける方法を学ぶことができる。「フィルターや保護機能を提供できるとしても,生涯にわたってテクノロジーを使うときに本当に効果のあるフィルターとなるのは若者たちの個人の心と思いです」とエバンズ長老は強調した。

エバンズ長老は,地域によってテクノロジー導入の状況に差が出るということ,そして宣教師が全ての地域でデジタル機器を安全に使うことができるかどうかを,これから地域会長会と密接に協力しながら判断していくということについて言及した。

現在, 8 万6,000人近い記録的な数の宣教師が,それぞれ世界中の406 の伝道部で奉仕している。その数は今年中にピークに達し,およそ8 万8,000人になると見積もられている。「しかし,秋の終わり頃からは横ばいになり始め,来年には宣教師の数が実際に減少すると予想しています」とエバンズ長老は述べた。エバンズ長老は,宣教師の数は7 万7,000人かそれ以上で落ち着き,2012 年の水準までは下がらないであろうと予想している。

6月30日時点で,8 万5,728人の宣教師が奉仕しており,そのうちシニア宣教師が6,735人(8%),長老が5万4,053人(63%),姉妹が2 万4,950人(29%)である。

宣教師の増加に伴い,改宗者のバプテスマは増えた。しかし,宣教師の増加を改宗者のバプテスマの増加に結びつけようという目的はなかったとエバンズ長老は述べた。

「去年の8 月か前回の報告に目を通せば,毎月バプテスマの数が増えていることが分かるでしょう。」エバンズ長老は次のように付け加えた。「今年は,去年の同時期と比べて改宗者のバプテスマの数は全体的に15 パーセント増加しています。わたしたちはそのことをうれしく思っていますが,しかし,それは,今起こっていることの主たる目的ではないことを理解してください。より大きな目的は伝道活動を行いたいと思う人たち,つまりこの教会の若者たちにその機会を与えることなのです。」 

宣教師の年齢制限を男性は19 歳から18 歳に,女性は21歳から19 歳に引き下げるという2012 年10月のトーマス・S・モンソン大管長の発表の後,若い宣教師の数は劇的に増えた。当時5 万8,500人だった宣教師は現在では8 万6,000人となっている。

「皆,モンソン大管長の勧めに立派に応え,その結果,長老と姉妹の両方,そしてシニア宣教師の数までもが増えました」とエバンズ長老は言う。去年のこの時期に58 の伝道部が新設されたとき,エバンズ長老は急増した宣教師にとってそれが「適切な規模」であると述べた。

「この教会の若者たちは引き続き伝道活動に応じてくれると信じています」とエバンズ長老は述べた。「彼らはこれからもキリストの若い弟子となることを選び,伝道活動と,隣人に仕え福音を宣べ伝えるという類いまれな機会が,自分の人生において行いたい事柄なのだと気づいていくことでしょう。」

エバンズ長老は,この変化によって姉妹宣教師がリーダーシップの経験をもっと得ることもできたと述べた。「彼女たちは現在,伝道部指導者評議会と呼ばれる集会に参加しています。現在,彼女たちには,ただ伝道するだけではなく,その中で伝道部指導者評議会に参加し,伝道部の方針や様々な課題や問題,機会に対して情報や助言を提供する機会が与えられています。彼女たちはその機会に立派に応じています。」

伝道部の指導者は,早期帰還する長老姉妹の割合が増えたと報告しているが,それは宣教師全体の増加とほぼ比例関係にある。

「宣教師の数が増えればその分,他の全てのものも増えるのです」とエバンズ長老は述べた。

エバンズ長老は,伝道に出ることは安全だとしながらも,これからも引き続き宣教師の安全を最優先していくと述べた。「わたしが目にした統計によると,伝道に出る方が,一般集団の中にいるより20 倍ほど安全だとされています。」

若い宣教師が増えていることを受け,教会は宣教師のための安全プログラムを実施し,一日の始めに自転車の乗り方や奉仕活動,その他の活動のための「安全の時間」を設けるよう奨励する見込みであることをエバンズ長老は説明した。「安全性の問題に対する宣教師たちの意識を高めることによって,あらゆる被害の可能性を減少させることができると期待しています。わたしたちは宣教師たちを愛しています。そして主も宣教師たちを愛しておられることをわたしたちは知っています。彼らの安全を守るために,できることを全力で全て行うつもりです。」◆