リアホナ2014年12月号 救いの業を速める情報技術

◉ 救いの業を速める情報技術

義と真理のメッセージで洪水のように地を満たす

─「デジタルミッション訓練集会」を東京・千葉・名古屋・大阪で開催

去る10月18日(土),東京の武蔵野ステークセンター(吉祥寺)にてデジタルミッション訓練集会が開かれた。この集会は東京を皮切りに, 19日(日)には千葉ステークセンター,21 日(火)には名古屋インスティテュートハウス,22日(水)には大阪北ステークセンター(茨木)と日本各地で開催され,続けて韓国の各地でも開催された。

デジタルミッションとは何だろうかこれら各地の訓練集会で講師を務めるジョナサン・ジョンソン兄弟(モア・グッド財団会長)はこう説明する。「かつて救い主はペテロらに「人間をとる漁師にしてあげよう」(マルコ1:17 )と語られました。現代の「人間をとる漁師」はインター”ネット”という網を使うのです。」

十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は今年8月19日にブリガム・ヤング大学にて,ソーシャルメディアを利用して真理を伝える,というテーマの説教をした。

「わたしは皆さんに勧めます。(ソーシャルメディアを使って)義と真理のメッセージで地を満たしてください。うそ偽りなく,人を啓発し,称賛に値するメッセージで,文字どおり洪水のごとく地を満たすのです。……キリストの弟子であるわたしたちの目的は,回復されたイエス・キリストの福音の光と真理を伝える手段として,ソーシャルメディアを活用することなのです。」

(フェイスブックやツイッター,ラインなどに代表される)ソーシャルメディアとは,インターネットを介して人と人を結びつけ,コメントや情報,写真,動画などを伝え合うサービスのことだ。インターネット社会の到来により,今日では誰もが,世界へ向けてメッセージを手軽に発信することができる。いわば,小さな放送局や出版社が人の数だけあるようなものだ。

ベドナー長老は,現代が「世界史上またとない時期」であり,わたしたちは「救いの業を加速し,実現する,奇跡的な技術革新と発明」という祝福にあずかっている, と語る。こうした霊感に基づいて,伝道の方法も変化している。「全世界の宣教師の約40% が間もなく電子機器を使って改宗や定着,活発化の業を行うようになります」とベドナー長老は続ける。「科学技術のおかげで家族歴史活動や神殿の儀式は勢いを増し,回復された福音の個人学習と家族での学習は加速されています。」

この訓練集会においてジョンソン兄弟は,現代という,主の備えられた科学技術の時代の意義について霊的な側面から考察した。

福音を簡単に分かち合う3つのステップ

武蔵野ステークセンターで行われた訓練集会では,デジタル技術を使って福音のメッセージを分かち合うにはどうすればよいかが,教会管理本部パブリッシング・サービス部部長の大久保健二兄弟から具体的に伝えられた。

大久保兄弟によると,日本でのインターネットの利用者は9,600万人,総人口の約7 割に上り,世界に類を見ない規模だという。またスマートフォンの普及率は2013 年時点で53%である。2010 年時点ではわずか9.7%,3 年間で約6 倍も伸びた。このようにデジタル化が急速に進む日本にあって,わたしたち教会員がソーシャルメディアを使って周囲の人々へ福音を簡単に分かち合うにはどうすればよいか。大久保兄弟は特に,日本独自で運営しているフェイスブックページを採り上げ,3 つのステップを示した。

1. フェイスブックのアカウントを作成し,友人と繋がる

まず,フェイスブックに個人のアカウント※ 11 を作成する。これは数分で完了する。その際,個人情報欄に出身学校名を入力すると,年代等の情報と照らし合わせ,関連性があると思われる人々を自動的に本人に紹介してくれる機能がある。教会員であることを登録すると,たくさんの教会員を紹介してくれる。ここから,友人・知人を選んで友達申請を送信する。こうして,ずっと交流のなかった学生時代の同級生など,労せずして多くの友人とつながることができる。大久保兄弟はフェイスブック上で730人の友達とつながっているという。

2. 教会公式ページをフォローする

検索欄に「末日聖徒イエス・キリスト教会」と入れ,教会公式フェイスブックページのアカウントを検索する。そのページを閲覧し,中央に位置している「いいね!( Like)」のボタンを押すと,公式ページにその情報が送信されるとともに,個人のタイムラインページ上に公式ページの新着情報が随時届くようになる。

3. 気に入った教会公式ページの記事を分ち合う

さらに自分が感銘を受け,共感する記事やメッセージを見つけたら,その項目にある「シェア」(「共有する」の意味)というボタンを押すと,つながった多くの友人に分かち合うことができる。コメント欄に自分のメッセージや証などを書き添えることもできる。

ここで紹介された3 つのステップの大きな利点は,人々に福音のメッセージを分かち合ううえで,自分で0(ゼロ)からメッセージを準備することなく,教会が事前に準備した多くの良質なメッセージから多くの人々に分かち合えることだと大久保兄弟は語る。大久保兄弟が,自分が共感した福音の記事にメッセージを添えて,会員でない人々に勇気をもっ

て分かち合うとき,そのたびに必ず,「いいね!」を押してくれたり,良いコメントを返信してくれたりする人がいたという。福音のメッセージが心の琴線に触れる人,共感してくれる人々が,わたしたちの周囲に必ず存在することが分かる。

フェイスブックを通じて分かち合えるメッセージとして,総大会の説教の内容を抜粋した Meme(ミーム)や,教会制作のニュース動画やショートムービーなどが数多く取りそろえられている。

訓練集会の結びに,アジア北地域会長会第二顧問のスコット・D・ホワイティング長老が登壇した。このデジタルミッションを推進するべく,東京では来年以降,「LDS シェア・エキスポ」という催しを行い,会員がデジタルメディアを介してどのようにして福音を分かち合うかを学ぶ機会を設けることが語られた。同時に,インターネットに依存しないよう,バランスを保って活用することが強調された。

ベドナー長老は冒頭で紹介した説教で,このデジタルミッションへの取り組みについて次のように勧告している。

「愛する兄弟姉妹の皆さん,この神権時代にこれまで成し遂げられてきた,ソーシャルメディアを通じた福音のメッセージの伝達は有益な始まりですが,小さな滴でしかありません。わたしは今,この滴を洪水に変える助けをするよう皆さんに呼びかけます。今日この場所から始めましょう。義と真理に満ちたメッセージで地を満たすように皆さんに強くお勧めします。このメッセージは真正であって,人々を教化し,称賛に値するものです。そして文字どおり洪水のように地を満たすのです。」◆