リアホナ2013年10月 学ぶ場所 名古屋 新しいテクノロジーで神殿の業を

学ぶ場所 名古屋 新しいテクノロジーで神殿の業を

 アン・タイソン姉妹の家族歴史セッション

須田昭仁 リアホナスタッフライター  名古屋セッション担当

「今日はわたしのひいひいおばあさん(高祖母)についてお話ししたいと思います」と家族歴史部のアン・タイソン姉妹は切り出した。「1850年,スウェーデンで生まれました。クリスティーナ・マットソン・ニールソンと言います。彼女の人生は困難に満ちたもので,8歳のときに母親が亡くなりました。18歳のとき,スウェーデンからアメリカに渡りました。渡航中にすばらしい男性を見つけ,結婚をしましたが,3年後にご主人が亡くなりました。その後再婚をして,アメリカ北部で寒さの厳しいワイオミングに移り住みました。家を買うお金がなかったので,どんなに寒い冬でも山の洞穴の中で生活をしました。子供を取り上げるという仕事(助産師)をしていました。困難な人生でしたが,人のために献身的に働きました。雪深い日でもそりに乗って出かけました。暖を取るために火で温めた石をそりに乗せて走りました。モンソン大管長は,『先祖のことを調べると,自分について何かしらの発見があります』とおっしゃいます。高祖母のことを思うと,たくさんの希望が与えられます。わたしもたくさんの困難を乗り越えられると思います。」タイソン姉妹はこのように,家族歴史と神殿の儀式について話を始めた。

「彼女はこの地上でバプテスマを受けましたが,もし,受けていなかったとしたらわたしが代わりに受けるでしょう。これが亡くなった方のためにできることです。」彼女は「ファミリーツリー」というウェブサイトにある,円形に表示された系図表の前に立ち,自分が存在するために両親がいて,その両親が存在するためにそれぞれの両親(祖父母)が,また,4人の祖父母が存在するために,8人の曽祖父母が,16人の高祖父母が……と,多くの先祖のおかげで自分が存在することを説明する。

「このカンファレンスのテーマは,『聖なる場所に立つ』でしたね。神殿での儀式を行うことは,わたしたちと一緒に天の彼ら(先祖)を聖なる場所に連れて行くということにもなります。昨年10月の総大会の説教の中に,特に青少年にあてたものとして,皆さんが家族歴史にかかわるようにとのメッセージがありました。※1 青少年とYSAの皆さんが,家族の名前とワード・ステークの皆さんの先祖の名前を神殿活動に使うようにお勧めします。そして,神権指導者は若人と家族が自分たちの家族に, 先祖に目を向けるよう,また神殿参入の祝福を教えるように,確実に学ぶようにお願いします,と言っています。では,先祖に心を向けるという教えとは,どういうことでしょう?」

─会場の後部に座る兄弟から「まず,産んでくれたことに感謝します。何代か戻ると何百,何千という数になるけれど,その一人でも欠けたら自分が存在しないわけだから……」と発言がある。

「先祖に心を向けるという教えは,福音の回復,神権の回復,結び固めの力にとても強くかかわっています。旧約聖書の預言者エリヤは,ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに結び固めの鍵を回復しました。

エリヤが言っているのは,今がまさにその時だということです。……では,どのように始めたらいいでしょうか。わたしのように先祖のストーリーを調べることから始めましょう。……一人の若い男性にお話ししてもらいましょう。」

一人の兄弟が壇上に立つ。「おじいちゃんの家族には,おじいちゃん以外に神権者がぼくしかいないことが分かって,おじいちゃんが亡くなる直前,電話をかけてきました。『家族をちゃんと支えていってくださいね』と言われました。(当時は)小学生で何をしたらよいか分かりませんでしたが,高校生になった今,御霊によって証をすれば家族を支えているのかなぁ,と思います。青少年の指導者に勧められ,神殿参入に合わせて家族歴史を調べたんです。現代では付けられない名前が出て来たり,自分の先祖は何をしていたんだろうって考えたりするとおもしろかった。自分の調べた名前で神殿のバプテスマを受けたとき,先祖がすごく近くにいるように感じ,御霊を受けた覚えがあります。御霊を受けた状態で生活すれば,家族みんなも聖なる場所に立たせることができます。神殿では御霊を受けやすいと思います。(家族歴史の業は)スマホやパソコンを使うことですごく簡単にできるんです。」

タイソン姉妹は続ける。「いちばん大切なのは,情報を集めて神殿に提出することです。ベドナー長老は家族歴史に参加した人にどのような祝福があるかをお話ししています。これは特に青少年の皆さんに約束しています。まず,先祖に対する愛と感謝が増すでしょう。救い主についての証と,従いたいという気持ちが強くなり,不動のものとなるでしょう。皆さんはますます強まるサタンの影響力から守られるでしょう。血統の宣言を伴う祝福師の祝福は,これらの先祖を結びつけ,皆さんにとっていっそう重要なものになるでしょう。聖なる業に参加し,達成するときに,青少年の時代にも,生涯にわたっても守られるでしょう。」

「どうして青少年の世代がもっと家族歴史に携わるよう求められているのでしょうか? なぜベドナー長老が青少年に勧めているのでしょうか?……それは,皆さんが新しい技術,テクノロジーを使えるからです。最近の家族歴史は,そのような(パソコン・インターネットの)技術によって行われているからです。ベドナー長老は,『皆さんは友達に手早く連絡をするために使うだけでなく,主の業を加速し進めるために,携帯メールやツイッターを学んできたのです。皆さんは,特に家族歴史に携わるために備えられてきました』と言われました。」

タイソン姉妹はこう結ぶ。「皆さんが担っている役割と,先祖の救いにかかわる皆さんの持っている力について証します。先祖のストーリーを見つけるときに,皆さん自身についても分かることを証します。」◆

※1─リチャード・G・スコット「死者を贖う喜び」『リアホナ』

2012年11月号,93

ぶ   場所

皆さんは主の業を加速し

進めるために,

携帯メールや

ツイッターを

学んできたのです。自分から始まって,両親,祖父母,曽祖父母,と

実際に系図通りに並んでみると,人数の多さに驚く

Nagoya

session

名古屋

見よ,マラキの口を通して語られた時が

まさに来た。……

先祖の心を子孫に,

子孫の心を先祖に向けさせ,……

それゆえ,この神権時代の鍵は

あなたがたの手にゆだねられている。

(エリヤの言葉─教義と聖約 110:14−16)