リアホナ2013年3月号  真の成長のために⑨

真の成長のために⑨

 七十人 青柳弘一長老

一人一人を愛する

定員会(と補助組織)の兄弟(姉妹)愛を深めるということもまったく同じなんですよ。定員会の中で大切なことは,どうしたらこの家族が強められるように助けられるか,どうしたら家長を助けて家族一人一人がよく御霊を感じられるように支援できるか,です。そういうところに焦点を合わせて定員会が動けば,組織はほんとうに価値あるものになってくると思いますね。モーサヤ書第18章では,アビナダイから聞いた福音によってアルマが改宗し,モルモンの泉で何十人もの方が一緒にバプテスマを受けます。そのとき宣言された言葉─わたしたちは重荷を負っている者の重荷を負い合い,また悲しんでいる者とともに悲しみ,慰めを必要としている者を慰める─こういう行動が,定員会の中で,また会員同士でできると,ほんとうの兄弟愛というものが生まれてくると思います。愛と御霊の導きがそこにあります。

これは理想的なことですけれど,わたしたちはそれをビジョンとしてはっきりと掲げて,それに向かっていく。わたちたちは不完全で弱い人間なのでビジョンのとおり完璧にはできません。でも,神様の力を借りて行えば,足りない部分はキリストが補ってくださる。ここにキリストの贖いの大きな力が働きます。そうするとわたしたちは,もっと大きな喜びと成功を見ることができると思いますね。

これは大きなビジョンであり,すぐに成し遂げられるわけではありません。

一人一人に焦点を合わせる

何十人も集めて同じこと(福音のメッセージ)を話しても,皆,受け止め方が違います。それは成長の度合いが違うからなんです。(メッセージを)非常によく受け取られる方,これはよく悔い改めていて(改心して〔Convert〕─心の変化を経験していて)※1 御霊を感じられる方だと思います。ところが御霊をあまり感じられていない人に同じ話をしても,まったく受け取り方が違います。同じ理解ができないんですね。これは仕方のないことです。ですから一人一人に,1対1で(福音を)理解してもらわないといけません。これが預言者の言われている,一人一人に焦点を合わせて彼らが救われるように助けてください,ということですね。人と比較できないところが非常に大切な部分だと思うんです。あの人がこういうことをしているから,わたしもこの人に同じようにしたら同じ成果が得られるだろう,とは期待できません。個人差がありますので。今,あの人にはどういうことが必要なのか,また,この人にはどういうことが必要なのか,一人一人をどうやって助けるのか……ここでも御霊の導きが必要になってきます。※2

ですから聖餐会で話をするときも,一人一人に焦点を当てなさいという勧告があります。例えばその場に来ている聴衆を見て,この中で今日初めて来た人はだれだろう,最近改宗した人はだれだろう,この中で最近再活発化された人はだれだろう。

そういう人に向けて話をすると,その人にとって非常に大きな助けとなる可能性があります。御霊がそう助けてくれる。いつも焦点は一人一人,1対1がどうしても必要なんです。それが実は愛の示し方なんだと思いますね。

ですから(定員会と)補助組織の皆さんは,いつも一人一人の親に焦点を合わせ,一人一人の子供に焦点を合わせる。そして彼らが神様との関係を強め,また家族を強められるように助ける。それが教会の組織だと思います。やはりイエス・キリストの言われたように,100匹の羊のうちの1匹が迷い出たら,99匹を残し,その1匹を探しに行って連れ戻す─一人一人に焦点を合わせて,一人一人が愛と御霊を感じられるように助けをする。それがわたしたち指導者にとって,また会員にとって重要なことじゃないかと思います。◆