2013年度の地域における福祉活動の強化

2013年度の地域における福祉活動の強化

 (地域福祉部)

自立②/3

救い主は教える際に,良いサマリヤ人のたとえを使われました。総大会に出席すると,預言者やそのほかの指導者が自立の原則について現実的な例を分かち合っているのを聞きます。ほかにも,自立についての事柄や物語だと気づかない説教もあります。4月の総大会から幾つかの説教を見てみましょう。

モンソン大管長は,こう話しました。「(昨年4月から1万人増加し)伝道中の専任宣教師は6万5, 634人で,さらにすでに召しを受けてまだ宣教師訓練センターに入っていない人が2万人以上,またビショップとステーク会長との面接の過程にある人が6,000人以上います。宣教師の増加に伴い,58の新しい伝道部を設けることが必要になりました。」(トーマス・S・モンソン「大会へようこそ」『リアホナ』2013年5月号)健康,教育,財政管理,霊的な強さの原則をここに見ることができます。

アイリング管長は,霊的な強さをさらに増す努力について話しました。「わたしは幼いときにその聖餐会で感じた救い主の愛と,身近にいてくださるという感じをもう一度味わいたいと思いました。そこで最近,もう一つの戒めを実行しました。聖文を調べたのです。わたしは聖文を通して,聖霊がその気持ちを再び感じさせてくださると知りました。主の二人の弟子は,自分たちのもとにとどまってくださるように復活された主を家に招き,主がその招きを受け入れてくださったときに,その気持ちを味わいました。」(ヘンリー・B・アイリング「わたしのもとにきなさい」『リアホナ』2013 年5 月号)アイリング管長の,望みをもって学び,霊的な強さを増すことを決意する模範から,わたしたちも恩恵を受けることができます。

ウークトドルフ管長は,歩き方を学ぶ過程について話しました。「わたしたちは皆,赤ちゃんが歩き始めるのを見たことがあるでしょう。赤ちゃんは小さな歩幅でよちよち歩いては倒れます。わたしたちは励まし,拍手をし,ほめたたえます。あらゆる小さな一歩を重ねて,その子供は両親にさらに似た者になるのです。」(ディーター・F・ウークトドルフ,「4つの称号」『リアホナ』2013年5月号参照)これは単純な話ですが,生活と自立の側面に当てはめることができる重要なパターンを示しています。

スコット長老は,福音に出会うまでとてもつらい生活を送っていたという,ある若い長老の話をしました。「何年も前,ある伝道部を訪問した後で,妻のジェニーンがそこで出会ったある長老の話をしてくれました。彼に家族のことを尋ねると,驚いたことに家族はいませんという返事でした。母親は出産後すぐに彼の養育を行政機関に任せたそうです。子供のころ,いろいろな里親家庭を転々としましたが,幸いなことに10代のときに福音を見いだしました。愛に満ちた,家族のようなワードが,彼が伝道に出られるように援助してくれたのだそうです。(リチャード・G・スコット「平安に満ちた家庭を築くために」『リアホナ』2013年5月号)この若い青年は,反抗したり,この世的な道をたどることもできました。しかし彼は,自分が直面する試練を克服するために,すばらしい精神的な強さを示しました。

バラード長老は,トマトを栽培する少女について話しました。その話全体はとても興味深いものですが,その一部を見てみましょう。「弱い者を助け,垂れている手を上げ,弱くなったひざを強めるという比喩的表現について考えると,あるかわいい7歳になる女の子が2年生の学習課題の一部として種まきをして育て始めた小さなトマトの苗を祖父に見せた話を思い出します。その子は,一粒の小さな種がトマトの苗に生長し,そして,もし世話をすれば,たくさんのトマトがなり,それぞれの実からたくさんの種ができると説明しました。」(M・ラッセル・バラード「これがわたしの業であり,わたしの栄光である」『リアホナ』2013年5月号)ここに,教育と自給の原則を見いだすことができます。少しの時間と努力を費やし,果物や野菜を自分で育てるなら,どれほど生活の質が向上するでしょうか。

このような例は限りなくあります。ここで挙げた例を見るときに,以下に述べられた原則が分かるでしょう。「自立とは,自分自身と家族の生活における霊的・物質的な必要を満たす能力であり,決意であり,努力である。」(『手引き 第2部』6.1.1)ここには幾つか共通する原則があります。それぞれの出来事には,最初に足りないものがありました。彼らは変わりたいと望み,決意しました。自分の能力や持てる手段を生かしました。多くの場合,望んだ目的を果たすためには時間と努力を要します。興味深いことに,ほかの人々からの支援にも気づくことでしょう。完全に自立している人はだれもいません。わたしたちは最善を尽くしますが,必要に応じて援助を受けながらも,ほかの人々を同じように助けます。そうするときに,わたしたちは「皆自由となり,天の賜物にあずかる者」となるのです。(第4 ニーファイ1 :3 )◆