末日聖徒イエスキリスト教会(モルモン教)リアホナ2013年12月 あなたの役割を果たしなさい!

あなたの役割を果たしなさい!

中央日曜学校会長会第二顧問,マシュー・O・リチャードソン兄弟のディボーショナル

「天のお父様は不思議なことをなさいます。わたしたちはいいことをしようとするときに祝福を受けます。頂いた祝福に恩返しをしようとすると,また祝福を頂いてしまいます。」頂いたパンに感謝して天の御父に返すと,バターが付いて返って来る。それを感謝してさらに返すとトーストされて返って来る。そのバター付きトーストに感謝して返すと今度はジャムが付いて来る……「わたしたちは頂いた祝福について十分に恩返しできません。しかし神様が祝福しやすいように行動することはできます。天のお父様はわたしたちを祝福するのがお好きだと思います。」リチャードソン兄弟はこう前置きする。

そして聴衆に,それぞれが持っている責任について紙に書き出すように頼んだ。例えば仕事の内容,母親・父親の務め,夫・妻として,友人として,息子・娘として,また教会の召しとして……。

そこでリチャードソン兄弟は一人の少年を壇上に招き,リチャードソン兄弟の少年時代のエピソードを再現する。あるとき,大好きなスポーツ用品店にいたリチャードソン少年のところに母親が血相を変えてやって来て,彼の腕を取り,通りを引っ張って行った。映画館の前まで来ると,観客の列のいちばん前に白髪の老夫婦がたたずんでいる。母親は言った。「マシュー,こちらが神の預言者デビッド・O・マッケイ大管長よ。」マッケイ大管長はリチャードソン少年の手を取って握手してくれた。「わたしは生涯,この経験を忘れることはありません。母が彼を預言者だと信じていることがよく伝わりました。」

リチャードソン兄弟は長じてマッケイ大管長に関心を抱き,彼の生涯についてよく調べた。そして若きマッケイ大管長がスコットランドで伝道したときに出会った石板について紹介する。※1 そこには「あなたが何者であろうとも自らの務めを果たしなさい」と刻まれている。それはマッケイ大管長の生涯のモットーとなった。

石板には言葉とともに9 つのシンボルが刻まれており,それは五角形,ローマ数字の10,三角形,四角形,六角形,八角形,九角形,ローマ数字の2,七角形とそれぞれ数字を表す。それらの数字をシンボルの位置に並べてみると,縦・横・斜めのどの方向に足し算してもすべて18になる(右写真参照)。「これは数学的にマジックスクゥエアと呼ばれています。もう一度上に刻まれている言葉を思い出してください。『あなたが何者であろうとも自らの務めを果たしなさい。』あなたが5であればちゃんと5の務めを果たしなさい。優れた5でなければ目指している18にはなれず,マジックスクゥエアではなくなってしまいます。

わたしたちは時に,5であっても8になりたいと思ってしまうことがあります。8はバ

ランスが取れたきれいな形で滑らかで美しい,『あぁ8になれたら』と。自分の本質と違うものになろうとする人があまりにも多すぎます。そうすると生活の中で力を失ってしまいます。真実であると心から知っていることに反して逆らうと,自分を完全に満たしてくれるであろうものを永遠に無駄に探し求めることになります。思いと心で真理を知ることができるなら,自分の務めを果たしてください。違うものになろうとし始めたら不幸になります。フラストレーションを覚えて空っぽになってしまいます。」

自らの役割を果たすことの相乗効果

リチャードソン兄弟は聴衆に,最初に書いてもらった自らの役割のリストを思い起こさせる。「この石にあるように,わたしたちは様々な異なる責任を持っています。それぞれの役割をよく果たしてください。それが相乗効果を生むことに気づいていただきたいのです。一つがもう一つの代わりになるわけではなく,それらが全部一緒になって初めてマジックをかもし出すのです。生活の中では,時々偏ってしまう傾向もあります。仕事が大切になりすぎて,家族や結婚や友人をおろそかにしてしまうこともあります。しかし,それらがともに働かない限りマジックはないのです。

天のお父様が,わたしたちそれぞれの役割を常に思い出させてくださいます。預言者が,わたしたちが何を行っているべきなのか常に教えてくれます。」

「家族─世界への宣言」には家族の役割が描かれている。夫と妻が互いに愛し合い,子供たちを愛するように,父親と母親が対等のパートナーとして助け合うように……「数字(役割)が違ってもそれが対立することはありません。わたしたちがその務めをよく果たす時期が来ています。自分の思いと心で知っていることに忠実で勇敢になる時期が来ています。いつか善いことをするのではなく,今,優れた青少年になる時期が来ています。天のお父様は今,皆さんを必要としています。

わたしが専任宣教師になったときに父はこう言いました。『あなたは2年働く期間を与えられる。そして永遠にその2年間を思い出すことになるよ。』専任宣教師の皆さん,その務めをよく果たしてください。

夫そして妻,父親と母親の皆さんにも大切な責任と務めがあります。より強い家族,より強い結婚関係,そしてより良い親が必要な時期が来ています。過去は良かったかもしれませんが,今はもっと良くならなければなりません。

息子と娘がより強い家族の一員になる必要があります。子供が朝起きて『ご飯は?』と頼む時期はもう過ぎました。エンターテインメントをよこせ,自分の生活を良くしろ,親として頑張って自分を幸せにしろ……もうそんな時期ではないのです。主は,その息子・娘たちに家族の責任を果たすよう求めておられます。皆さんにはできます。できる限りのことをすれば天のお父様の助けがあります。『与えられた力と手段以上に急いだり,それ以上働いたり後まで励みなさい。』※2

この福音がわたしたちの生活を祝福するためにあることを証します。福音は,言葉で表せないくらいわたしを祝福してくれました。天のお父様は皆さんのそれぞれの状況を御存じで,皆さんの祈りにこたえてくださいます。また求めれば,皆さんの生活,人生を導いてくださいます。天のお父様は,その助けをもってしてもできないことを決してお求めになりません。従って,あなたが何者であろうとも自らの務めを果たしなさい。皆さんがそうするときに神の祝福がありますように。」◆