リアホナ2012年7月号 岩手県知事と山下長老ら教会の代表者が会談 ─教会の人道支援を振り返って

岩手県知事と山下長老ら教会の代表者が会談 ─教会の人道支援を振り返って

2012年6月15日,アジア北地域会長会第一顧問の山下和彦長老をはじめとする教会の代表者が岩手県庁舎を訪れ,岩手県の達増 拓也知事と会談した。

 同日,知事との会談の前に山下長老は,教会を代表して岩手県の普代村漁協に赴き,アワビ,ウニ漁に使う竿310組を寄贈した。

 山下長老は達増知事に向かい,支援を通じてすばらしい方々と出会えたこと,特に被災しながら頑張っている岩手県民の方々とつながりができ,彼らが復興に向かいつつある姿を見ることができて,ほんとうにうれしく思う,と語った。

 達増知事は,教会が岩手県で行ってきた支援とボランティアの実績を確認し,「改めて人数を拝見して,ものすごい支援を頂いた」,ほんとうに感謝する,と述べた。

 話題は被災直後のことに及んだ。教会が行政に支援を申し出ても,宗教団体ということもあって,思いが通じないこともあった,と現地対策本部にいた教会福祉部のハルヴォーソン部長と西原長老は話す。今回,知事を紹介された岩手県議会議員の清水恭一氏は,教会には米軍とのつながりもあり,必要ならヘリも飛ばせた,と言い添える。

 達増知事は,今回の被災時に,岩手県と他県や国,行政と行政は連絡がつくが,宗教団体だけではなくNPOなどの様々な団体や民間企業の支援に対してはなかなかうまく繋がらなかった,教会のように国際的なネットワークを持つ団体の力を十分に生かすことができなかった,と反省する。そして県の中に,非常時に外からの支援を受け付け,被災地とすぐに繋げる仕組みを作っていかなければならない,との今後の課題を語った。◆