リアホナ2012年8月号  末日の青少年の使命─神殿の業に携わる

末日の青少年の使命─神殿の業に携わる

─中央若い女性会長,イレイン・S・ダルトン姉妹のメッセージ

先月号掲載のスティーブンス姉妹のメッセージに続き,5月20日 ,中央若い女性会長のダルトン姉妹より語られた,青少年と親世代へのメッセージを要約してお伝えします。(編集室)

主は生けりと知る

開会の賛美歌「主は生けりと知る」(『賛美歌』75番)にダルトン姉妹は強い御霊の促しを感じた。「皆さんがほんとうに力強く歌ってくださったので,御霊に満たされてわたしはあまり歌うことができませんでした。」そして,この賛美歌にまつわる特別な思いと出来事について紹介した。

ある11月の土曜日の早朝,ダルトン姉妹は友人とランニングをしていて溝に落ち込み,折れた骨が皮膚から突き出るほどの大けがをしてしまった。気が遠くなりそうな痛みを感じながら道路に横たわっていると,1台のスポーツカーが通りかかり,運転していた男性が降りて来た。「その人に言いました。『わたしは今,神権の祝福が必要なんです。あなたは末日聖徒イエス・キリスト教会の会員ですか?』彼はこのように言いました。『わたしは教会員ではありますけれども祝福をすることはできません。』」夫が車で駆けつけてくれ,ダルトン姉妹は激しい痛みに耐えながら病院に向かった。その長い道中,ダルトン姉妹は友人に「主は生けりと知る」を歌ってくれるよう頼む。

死にし主は生きて 永遠に生きたもう

……わが嘆き聞きて 弱きを慰む

わが恐れをとめ 涙ぬぐいたまい

「この歌詞を歌うときにまったく痛みを感じなくなりました。そして……主が生きておられるということがよく分かりました。」

病院には彼女の息子たちもやって来た。「(病室の)カーテンを開けると息子たちがそこにいました。そして息子たちは『お母さん,ぼくたちが祝福してあげるよ』と言いました。その日わたしは神権の力にとても感謝しました。そしてわたしがほんとうに神権の祝福が必要だった,その瞬間に(息子たちが)『はい,できます』と答えられたことをとてもうれしく感じました。主人(と息子)がわたしの頭に手を置いて祝福をしてくれたときの慰めを忘れることはありません。」

ダルトン姉妹は会場にいる青少年を見渡して呼びかけた。「ここにいる皆さんの中にも,心が折れたりけがをしたり,あるいは何か間違いを犯したりしたことのある人がいるかもしれません。今晩は,わたしたちが変われる,より善い人になれる,そんな重要な夜です。若い男性の皆さん,どうぞ神権を使うにふさわしくないような場所に行くことがないようにしてください。」ダルトン姉妹はもう一度繰り返す。「わたしは主が生きておられることを知っています。わたしたち皆を癒すために。わたしたちが無事に天の御父のもとに帰ることができるよう,強さを与え,赦しを与えてくださるために。」

選ばれた霊のための大いなる業

そしてこう続ける。「今日わたしがお話しすることで覚えていただきたいことがあります。皆さんはただ単に普通の若い女性,若い男性,また両親ではないということです。皆さんは福千年に主が来られるときに地球を備えるためにこの地上にいます。今,この地上に来るよう皆さんは取っておかれました。……皆さんの内に,何か重要なことをするんだという気持ちがあるのを感じます。」ダルトン姉妹はその裏付けとしてモルモン書を紐解く。「モルモン書の中には皆さんのことについてたくさん書かれています。予言者アルマは皆さんのことについて書きました。ニーファイもモロナイも皆さんのことを目にしましたし,末日も見ました。アルマ13章です。これは前世で起きたことです。そのとき皆さんはすでにこの地上に来るというように召されていました。その理由は皆さんが偉大な信仰を持っていたからです。」

ここでダルトン姉妹はこう問いかける。「もし皆さんが(前世で)神様とイエス・キリストと一緒にいたとしたら,なぜ『まだ見ていない……ものを待ち望む』※1 信仰を持たなければいけなかったのでしょうか? なぜアルマは皆さんが偉大な信仰を持っていたと言っているのでしょうか?」一人の姉妹が,ともにいた天父とイエス・キリストに対しての信仰は不要だったかもしれないが,自分たちに与えられた救いの計画に対する信仰は必要だったのではないか,と答えた。ダルトン姉妹はその姉妹に感謝して続ける。「彼女が言われたようにわたしたちは前世で偉大な信仰を持っていました。それは天父とイエス・キリストに対する,またわたしたちに示された偉大な計画に対する信仰でした。わたしたちはその計画を聞いて手を挙げて『はい,わたしは100パーセント賛成します。ぜひわたしも仲間に加えてください』と言いました。」

「そしてわたしたちは天上で闘いました。わたしたちはみな戦士でした。皆さんはとても強く,そして忠実でした。その闘いは決して,武器や剣を使ってするものではなく,皆さんはイエス・キリストの証をもって闘いました。皆さんの証が非常に強かったので勝利を得ました。なぜなら皆さんが強い証と強い信仰を証明したからです。」わたしたち一人一人が前世でイエス・キリストを,50パーセントや70パーセントではなく100パーセント支持し,それによってこの地上に来た,とダルトン姉妹は説く。 ※1─アルマ32:21

ダルトン姉妹の息子のジェス兄弟は大学の学生会長として,たくさんの大学の学生リーダーが集まる指導者セミナーに行ったとき,ほかに同意する人がだれもなくとも,純潔を守ることの大切さをひるまずに独りで主張したという。「わたしはジェスに『それをする強さはどこから学んだの?』と聞きました。彼は大きな笑顔を見せて『とても簡単なことだよ。ぼくは大学を代表しているだけじゃなくて,ぼくの教会,家族,また救い主を代表しているからだよ』と言いました。皆さんも同じようにそういったものを代表しています。」「皆さん自身が何者なのかということをぜひ覚えていただきたいと思います。なぜなら皆さんはすばらしい偉大なリーダーなのです。」ダルトン姉妹は,偉大なリーダーは孤独であっても固く立っており,会場にいる人々は皆,前世において,またこの地上においても偉大なリーダーであると語った。

また教義と聖約138章53節を引用する。「ジョセフ・F・スミス大管長は,かつて地上で生活し亡くなってパラダイスに行かれた人たちの夢を見ました。『そのほか選ばれた霊たちも霊界にいた。彼らは大いなる末日の業の基を据える務めに携わるために,時満ちる時代に来るようにとどめられていた者である。』これはだれのことを言っていると思いますか。皆さんを見たのです。わたしたちは選ばれた霊たち,そしてこの地上に来るために取っておかれた霊たちです。」さらに「皆さんに取っておかれた業があると書かれていますがそれは何でしょう」と問いかけ,続けて54節を読む。「『神殿を建て,そこで死者の贖いのために儀式を執行することも,その大いなる末日の業に含まれるのである。』ですから皆さんはこの地上で神殿の業に携わり,神殿の儀式を執行するために取っておかれました。神殿にふさわしくなければなりません。」

しかしサタンも黙ってはいない。「サタンは皆さんがここにいることをよく知っています。そして彼にとって闘いは決して止んでいません。ですから皆さんが落胆するように,皆さんが自己崩壊するようにあらゆる方法を使ってきます。サタンは皆さんが神殿にふさわしくなくなるように毎日毎日働いています。」サタンの使う道具は多岐にわたり,インターネット,メディア,ファッション,言葉遣い,ドラッグなどあらゆる手段を使う,とダルトン姉妹は警告する。青少年に家族歴史の業を2011年秋の総大会で,十二使徒のデビッド・A・ベトナー長老は系図と家族歴史について話した。その大会の2か月前,ダルトン姉妹はベドナー長老のオフィスに招かれ,すでに完成していた大会説教を読んで聞かされる。「それは皆さん(青少年)が家庭歴史を行うようにという招きの話でした。……主の使徒である方の勧めに従うことで約束の祝福が与えられます。ですから皆さん,このお話※2 を読んでください。」神殿の業が進み,家族が永遠に結ばれるように,主は世界中に神殿を与えられた。さらに,パソコンやインターネットを与えられ,世界中のどこにいても神殿の業に貢献できるよう備えられた。具体的にどのように携わり, どう貢献するか,ダルトン姉妹は説明する。「ファミリーサーチのホームページに入って,自分の家族を見つけ,家族の中でまだ儀式が行われていない人たちがだれなのかを見つけて,彼らの情報をプリントアウトしたものを神殿に持参し儀式を行う。ベトナー長老は教会のすべての青少年にこのことにかかわるようにと言われました。」

神殿にふさわしくあるために

「皆さんには大きな使命が課せられています。どうぞその使命に決してひるむことのないように,そして落胆することのないように,完全に希望の光を抱いて進んでください。そして自分が何者であるかをぜひ覚えてください。主は皆さんを御存じです。名前で御存じです。皆さんが何をしているかも御存じです。そして今皆さんが想像するよりもはるかにすばらしい計画を皆さん一人一人に準備されています。」「わたしたちは神の預言者に導かれていることを証します。皆さんには偉大な業,なすべき業があるということを証します。救い主イエス・キリストを証します。たとえわたしたちが間違いを犯しても,主によって,今日皆さんは自分自身を変えることができます。悔い改めることができます。そして清くなることができます。主がそれを可能にしてくださいます。皆さんは自分がすると言ったことを100パーセント行うことができます。」

ダルトン姉妹は,末日の青少年がいついかなるときでも神殿に参入する清さ,ふさわしさを保つために,「100パーセントで行う4つのチャレンジ」を提示する。

1「. 毎朝毎晩必ず祈ってください。」

2.「毎日5分間モルモン書を読んでください。モルモン書にはわたしたちのことが書かれているからです。」

3.「『若人の強さのために』に記された標準をきっちり守ってください。」

4.「最後はスマイルです。毎朝起きて必ず笑顔を見せてください。救い主は『元気を出しなさい』と言われました。」

そして,「わたしも皆さんと一緒に必ず行います」とダルトン姉妹は約束して締めくくった。◆