リアホナ2012年8月号  福祉のABC 22

福祉のABC 22

      (地域福祉部)

ボランティア

昨年は日本中の,また世界中の多くの人にとって,真の「ボランティア」の意味をより深く理解する特別な機会となりました。日本の東北における大災害の後,多くの人が時間と才能を使って地域を訪問したり,様々な支援や奉仕を提供したりしてボランティアに参加しました。世界中の末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は,様々なグループや団体に加わり,このすばらしい取り組みに協力しました。世界が自然災害や人災に悩まされている今日,同じようなことが全世界で行われています。

辞書の「ボランティア」の項にはたくさんの意味が載っていますが,最初の二つは(1)奉仕などのために自ら援助を申し出る人,そして(2)喜んで無償で奉仕を行う人です。(Dictionary.com“, volunteer”の項)このような定義を調べて分かるのは,ボランティアには,人種,民族,性別,年齢,宗教,そのほかの境界線がまったくないということです。労力の大きさについても何も述べられていません。つまり,ボランティアを金銭的な寄付にたとえるなら,やもめが自分の全財産である2枚のレプタを投げ入れたように,個人の奉仕がどれほど頻繁か,また,どれほど大がかりであるかは,重要ではありません。大切なのは一人一人が何かをするということなのです!

ボランティア活動は,教会員が得意としている事柄です。先ごろ,ダリン・H・オークス長老は,世界中の末日聖徒を称賛しました。オークス長老はこう語っています。「わたしは末日聖徒の間に見られるクリスチャンの愛や奉仕,犠牲のすばらしい模範に感謝しています。皆さんはしばしば多くの時間と財産を犠牲にして教会の召しを果たしています。自分で費用を負担して伝道に携わっています。隣人に奉仕するために喜んで専門技術をささげています。教会の福祉や人道支援を通して,あるいは個人的な働きにより,貧しい人の世話をしています。このすべては,アメリカ全土で行われたある研究の結果を裏付けています。すなわち,末日聖徒イエス・キリスト教会の活発会員は『平均的なアメリカ人よりもはるかに多くの奉仕活動と献金を行い,さらに宗教的信条を持つアメリカ人の上位2 0パーセントの人よりも時間と金銭に寛大である』のです。」長老は要約してこう述べています。「そのような模範は会員全体の力となり……ます。」(「犠牲」『リアホナ』2012年5月号,22)

なぜボランティアや奉仕をするのか,時間を取って考えてみるとよいでしょう。ジョセフ・スミスはかつてこう教えました。「神の愛で満たされている人は,自分の家族に祝福を与えるだけでは満足せず,全人類に祝福を与えたいと望み,全世界を歩き回ります。」(History of the Church ,第4巻,227)このように,神への深い愛のためにわたしたちは自然と隣人に手を差し伸べたいと強く願うのです。律法学者が最も大切な戒めについて尋ねたときに,イエスが与えられた答えを思い出します。救い主は言われました。「『心をつくし,精神をつくし,思いをつくして,主なるあなたの神を愛せよ。』これがいちばん大切な,第一のいましめである。第二もこれと同様である,『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ。』」(マタイ22:37-39)

世界が創造される前,天で会議が開かれました。子供たちに選択の自由を与える計画を成就するために,天の御父は助け手を求められました。「また,主は言われた。『わたしはだれを遣わそうか。』すると,一人が人の子のように答えた。『わたしがここにいます。わたしをお遣わしください。』」(アブラハム3 :27 )イエス・キリストは,自ら進んで地上に来て,わたしたちの罪を贖うことによって,究極の模範を示されました。主はこれを喜んで無償で行われました。主はこれを純粋な愛によって,すべての人に救いの機会が与えられるように願いながら行われました。

神に対するわたしたちの愛が強められますように。また,わたしたちの才能,技術,能力,望みが伸ばされますように。そして,機会があるときにはいつも喜んで立ち上がり,手を挙げて,行って行うことができますように。◆