末日聖徒イエスキリスト教会(モルモン教)リアホナ2011年11月号 日本札幌神殿鍬入れ式を挙行

日本札幌神殿鍬入れ式を挙行

──スティーブンソン会長の祈りをもって神殿用地を奉献する

日本札幌神殿の鍬入れ式が10月22日(土)に開催された。建設予定地の札幌市厚別区大谷地西には札幌神殿地区(北海道のすべてのユニットと青森地方部)各地からの参加者が到着し,午後2時から始まる鍬入れ式への期待で心を躍らせていた。日本では東京,福岡に次いで3番目の神殿になり,アジアでは6番目の神殿になる。札幌神殿は2009年10月の半期総大会において、トーマス・S・モンソン大管長によって建設が発表された。

アジア北地域会長会のゲーリー・E・スティーブンソン会長が鍬入れ式を管理し,会長会第一顧問のマイケル・T・リングウッド長老,第二顧問の青柳弘一長老も,日本と韓国の地域七十人とともに出席した。鍬入れ式には衆参両院議員,北海道議員,市会議員,領事館関係者,他宗教団体代表者,施工関係者なども来賓として参列した。

開会とともに雨が降り出し,次第に雨脚が強まった。雨具に身を包んだ聖歌隊が力強く賛美の歌をささげた。司会として壇上に立った青柳長老は開口一番,「今日はほんとうにすばらしい天候といいますか……」と切り出し,笑いとともに会場は和やかな雰囲気に包まれた。

まず来賓を代表して,鳩山由紀夫元首相が壇上に立ち,お祝いのメッセージを述べる。「ことわざに『雨降って,地固まる』というものがございます。鍬入れ式のときは,雨が降った方がいいものなのです」と鳩山氏は話し始めた。また鳩山氏の座右の銘である「雨天の友」(逆境のときに支持してくれる友人)という言葉に言及し,「晴天の友以上に雨天の友が真の友でございます」と述べた。教会が兄弟愛,家族愛を大切にしていることに触れ,「今回,東日本大震災が起きたときに,皆様方は……黙々と被災者の方々のために,瓦礫の撤去活動をはじめ,多くの作業を優しい気持ちをもって活動してくださいました」と感謝の念を表した。そして「どうぞ,皆様方の社会貢献活動が,さらにこの地,札幌において,札幌神殿ができることを機会に,さらに大きな活動に発展されることを心から祈念いたします」と結んだ。

続いて地元の教会の開拓者である潟沼誠二兄弟が会員を代表して立ち,日本の教会歴史,北海道開拓と教会とのかかわりについて述べた。1905年,札幌の地で宣教師のジョン・W・ストーカーが翻訳を行い,日本で最初に出版された教会書籍となった『末日聖徒イエス・キリスト教会略史』を壇上で示し,それに始まる札幌の教会の歴史を振り返った。「1978年8月13日,ブルース・R・マッコンキー長老の管理の下に札幌ステークが組織されました。そのときにマッコンキー長老は,『日本の各地に神殿が建つでしょう。そしてこの北海道の地にも幾つかの神殿が建つでしょう』と預言されました。……多くの歴史を経て,今こうして札幌神殿を建てるところにまで至ったわけです。」

次に,地域会長会夫人を代表して,青柳城子姉妹が話した。先人の苦難による北海道開拓の歴史に,シオンを建設してきた北の地の教会の開拓者の働きを重ねてたたえた。

青柳長老は,若くして藻岩ワードの建築宣教師として働いたとき,当時から神殿建設のビジョンを描いていた地元の会員たちの思い出を語った。そして「わたしたちが神殿を建てる目的は何でしょうか」と問いかけ,家族を永遠に結び,主を身近に感じ,悪の力からの守りとなる神殿の意義について説いた。

リングウッド長老は「この日は皆さんが長年祈り続けてきた日です」と述べ,「神殿は天のお父様に対する教会員の決意の表れで〔す〕……わたしは神殿にいるのが好きです。神聖な場所に足を踏み入れていると感じます。神殿に参入し,結婚やバプテスマなどの儀式を受けることが,すべての会員にとっての望みとなり目標となるように」と呼びかけた。

最後にスティーブンソン会長が登壇した。「わたくしは日本人や日本の家族が神社やお寺をよく訪れることに感心しています。多くの人がそこに行くと平安を感じると言います。先祖を思い出すために行く人もいます。わたくしもわたしたちのお寺(Temple),すなわち神殿に参入することがほんとうに好きです。神殿は神の宮です。……わたくしの息子が幼いときに言った言葉を思い起こします。『神殿が見えている間は迷子にならない』と。神殿はわたしたち全員に天からの導きを与えてくださいます。『また,わたしの民が主の名によってわたしに一つの家を建て,……わたしの栄光はそのうえにとどまるであろう。』(教義と聖約97:15 )

これから祈りをもってこの土地を,日本札幌神殿の建設のために奉献します。」

スティーブンソン会長によって神殿用地の奉献の祈りがささげられた。閉会後には,来賓と地域会長会夫妻,夫婦宣教師,地域七十人と地元の神権指導者,地元の会員代表,青少年と初等協会の代表による鍬入れが行われた。その後、すべての希望する出席者が自由に鍬入れを行った。鍬入れ式が終了しても雨は降り続いた。その雨と寒さにもかかわらず,参列者は希望に満たされていた。◆