リアホナ2011年5月号  東日本大震災から1か月を経て

東日本大震災から1か月を経て

愛する兄弟姉妹の皆さん,

わたしたち地域会長会は,3月11日に起こった未曾有の大災害から1か月以上を経過した現在,教会員であるなしを問わず被災されたすべての皆様に対し,改めて哀悼の意と心からの憐れみの思いをお伝えします。大管長会から,皆さん一人一人への愛と思いやり,励ましをお伝えするようことづかっています。 同時に,この数週間に行われた愛と奇跡の業に感動を覚え,どのような事態にあっても主の業を貫き通す信仰を行使する皆さんの気高い精神に大いに励まされています。

すでに震災1週間後の手紙で発表しましたように,地震と大津波による災害発生直後から地域事務局と神権指導者は,ソルトレーク・シティーの教会本部福祉部および幹部の兄弟たちと頻繁に情報交換を行いながら,人道支援として東北各県の行政機関,日本赤十字社などへの義捐金の提供,宣教師と会員の安否確認,インターネットを利用した情報収集,食糧・毛布・水・燃料などの支援物資の送付,ボランティアの手配など,緊急時対応における手順を確実に推し進めて,被災された現地の方々への支援を行ってきました。その結果として,宣教師および活発会員全員の安否が比較的早期に確認されました。わたしたちはまた,仙台伝道部と東京伝道部の宣教師を他の伝道部に一時的に異動することができました。これは,危急の事態にある会員たちの負担を減らすとともに,宣教師たちが本来の職務である伝道活動を安全に行えるようにするためです。

また震災後3週目には60数か所の教会集会所において専門の技術者による検査が行われましたが,そのすべてにおいて構造的には問題がないとの報告がもたらされています。

このようなすばらしい状況に至るまでに献身的に働かれた地元の指導者と一般の会員の皆さん,いち早く物資調達に動かれた各ステークの皆さん,神権ラインとして組織をまとめ関係各方面との調整に働いてくださった地域七十人とそのサポートをしてくださった地域事務局の皆さん,またボランティア要請に率先して心身ともにささげてくださった大勢の兄弟姉妹の皆さんに対し,心からの感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

4月2日,3日に行われた第181回年次総大会土曜日午前の部会の最初の説教で,モンソン大管長は次のように報告しました。

「最近では,日本において壊滅的な地震と津波が発生し,原子力の問題が起きています。わたしたちは日本の人々を心配し,援助の手を差し伸べています。教会は,食糧,水,毛布,寝具,衛生用品, 衣服,燃料を含む,70トン以上の物資を送りました。教会のヤングシングルアダルトたちは自分の時間をささげ,インターネットやソーシャルメディア,そのほかの通信技術を使って会員の安否を確認しました。会員たちは,車で行くことが困難な地域には,教会が用意したスクーターを使って支援を提供しています。衛生キット……を作る奉仕プロジェクトが東京,名古屋,大阪の多くのステークやワードで行われています。これまでに4,000人以上のボランティアによって,4万時間以上の奉仕が行われてきました。日本や助けを必要とする地域に対する支援は今後も継続されます。名古屋,東京,大阪地区における3万セットを超える衛生キットの作製,および多数のその他の活動により,ボランティアに携わった延べ人数は,総大会で報告された4,000人をはるかに上回ることとなり,奉仕にささげられた時間もさらに1万時間以上増え,150トンを超える支援物資が搬送されました。

当初の緊急援助から災害支援の第2ステージとして復旧と生活の確保に重点が移りつつある現在,地域会長会の管理の下に全国各地区を担当する地域七十人は東日本大震災対策調整評議会を組織しました。地域七十人は各ステーク会長,伝道部会長,地方部会長,その他の神権指導者と連携して神権ラインでの支援体制を確立しており,東北地区を中心とした被災地の神権指導者の必要性を吸い上げながら,支援物資の供給,ボランティア要請への対応,避難された方々への住居の提供など,物理的な部分と心理的なサポートの両面で,中期・長期の展望を立てて支援に当たっています。またそれを受けてソルトレーク・シティーの教会本部でも追加の人道支援資金の拠出を決定し,今後も最大限の支援を続けていく意向です。

なお,今回の震災以降の動きの中でインターネット上の教会のホームページ(ldschurch.jp)において教会の最新情報が発信され続けたことをご承知の方々が多くおられると思います。しかしながらコンピューターをお持ちでない方も多いため,このような事態の中で各地の会員から寄せられた問い合わせやボランティアなどに関する質問への回答の多くは,ホームページ上ですでに発表されていたという現象がありました。各地域の神権指導者でインターネットにアクセス可能な方は,今後とも教会のホームページに定期的にアクセスし,必要に応じて一般の会員の方々に内容を伝えるようにしていただきたいと思います。

最後に,うれしい発表があります。ソルトレークの宣教師管理部は,東京伝道部と仙台伝道部から異動している宣教師がそれぞれの伝道部に段階を経て戻り始めることを承認しました。

わたしたち地域会長会からの愛を,心を込めて皆さんにお送りします。何よりも,自らが被災者の一員でありながら同胞である会員のために日夜献身的に働いてこられた地元の神権指導者と会員の皆さんに,主の大いなる導きと,イエス・キリストの慈愛にあふれた慰めがありますよう,心からお祈りします。また,大管長会,十二使徒会,管理ビショップリック,その他の中央幹部から寄せられた皆さんへの愛と心からの関心をお伝えします。復旧を目指すための支援活動は,今後数年あるいはそれ以上に及ぶものになるでしょう。主イエス・キリストの名の下に会員が思いと行動で一致し,この機会が日本とアジア北地域の教会がさらに発展する礎となることを願ってやみません。

アジア北地域会長会

                                崔 崙煥            ゲーリー・E・スティーブンソン          青柳 弘一