リアホナ2011年7月号 News Box 仙台伝道部と東京伝道部の宣教師たちが被災地で汗を流す

News Box 仙台伝道部と東京伝道部の宣教師たちが被災地で汗を流す

──復興支援ヘルピングハンズ活動

2011年5月27日に,仙台伝道部の宣教師約80人が宮城県塩竈や東松島で側溝の泥の除去作業に従事した。仙台伝道部の宣教師にとって,被災地でのボランティア活動は宣教師全員が熱望していたものだった。また翌週の6月3日に,東京伝道部すべての宣教師165人が宮城県の多賀城と東松島でヘルピングハンズの活動に従事した。

東京伝道部では出発前,東京・吉祥寺の集会所に集合したすべての宣教師を前にアルブレクト伝道部会長が話した。「これは,同窓会でもレクリエーションでもありません。わたしたちは神聖な場所へ奉仕活動に出発します。多くの方々がその場所で命を落としました。まだ見つかっていない人もたくさんいます。家族を失った人たちにも出会います。奉仕活動を行っているときは,絶対に個人の写真撮影をしないでください。メディアや教会機関誌から撮影される場合でも,ピースサインはしないでください。人々の気持ちを考えてください。そのことを忘れないようにしてください。」─礼拝堂で再会を喜び合っていた宣教師たちの気持ちを一つにまとめ上げるメッセージだった。「しかし!」とアルブレクト会長は強調する。「被災地で働くからといっても,悲惨な顔で働く必要はありません。まじめに,そして,笑顔で宣教師として働いてください。心が繊細になっている人たちに出会ったら,あなたたちの笑顔で優しく接してください。」

前日の午後10時にバスで出発し,6月3日の午前6時に到着。行政から割り当てを受けた場所で約80人ずつのグループに分かれ,東松島と多賀城で復興支援のボランティア活動を行った。多賀城で割り当てを受けた八幡神社では,破壊された社務所,神社,境内の瓦が 礫れき撤去と清掃活動を行った。

八幡神社関係者の話によれば,津波によって境内に車が流れ込み,近くの電柱には遺体も流れ着くほどの惨状だったという。敷地が広いために,大きな団体の力がなければ作業も進まず,ほとんどが手つかずの状態だった。ヘドロによる腐臭の中,雑菌による感染を防ぐために,ゴーグル,マスク,手袋を着用しての肉体労働だったが,スティーブンソン会長,アルブレクト伝道部会長夫妻も汗を流し,姉妹宣教師たちも率先して瓦礫の撤去作業に力を尽くした。

東松島では民家周辺の瓦礫撤去や,側溝に詰まった泥の除去作業を行った。また,労働作業の途中,東京伝道部を代表して,アルブレクト会長夫妻は近くの保育園を訪問し,アメリカから送られてきたぬいぐるみや洋服を子供たちに贈る活動も行った。アルブレクト姉妹は,女の子一人一人にワンピースのドレスを着せ,優しい言葉で語りかけた。

「キリスト教会の宣教師が来たので少し驚きました」と八幡神社で総代を務める男性たちが談笑する。ほとんどの作業を午前中で終わらせるほどのスピードに行政の担当者も驚きながらも感謝の言葉を述べた。また,神社から運び出される神 輿,太鼓をはじめとする文化的にも貴重な品々,祭儀式用具など,神聖に扱われているものを,注意を払いながら慎重に運び出す姿は関係者に感銘を与えた。泥にまみれた神輿を歯ブラシで丁寧に磨き上げる姉妹宣教師の姿にはだれもが感激した。たとえ,自分たちとは異なった信仰を持っていたとしても,その人々が神聖に扱うものに対して敬意を払う気持ちが宣教師から感じられたという。それは,八幡神社だけではなく,他の地区でヘルピングハンズの活動に携わった参加者たちにも言えることだった。

今回,ヘルピングハンズの奉仕活動の後には,近隣の被災地を訪れ,惨状を目の当たりにする機会も計画されていた。「このような情景を見て,愛する日本の人々がどれだけ苦しんでいるか知ってほしいと思いました。もっとわたしたちの気持ちを一致させる必要があると感じさせたかったのです」とアルブレクト会長は語った。

今後,被災地での必要が落ち着くまでの間,ステークや地方部単位で,このようなモルモン・ヘルピングハンズの活動が奨励されている。5月28日には東京南地方部の青少年約140人が東松島で同様の作業に従事した。また,管理本部の職員も二つのグループに分かれ,5月27日と6月3日に陸前高田で同様の奉仕活動に従事した。教会では,ステークや地方部から労働ボランティアが団体で被災地へ向かう際に,バスのチャーター代を支援することを決定した。詳細は各地区のステーク会長会/地方部会長会へ。◆