リアホナ2011年1月号 福祉のABC 8

福祉のABC 8 

 (教会福祉部)

家庭貯蔵 

聖典の中には,困難な時期に備えて食料を蓄えていた人々の例が記されています。ヨセフは7年間の食糧を集めました。リーハイは,果物と,蜂蜜と,肉を用意しました。ラコーニアスは,彼の民がすべての持ち物を携えて集まるようにしました。備えをなすようにとの警告は続いています。大管長会はこう述べています。「世界中の教会員の皆さんにお願いします。食料や水といった必需品を用意し,貯蓄をすることにより,人生における困難に備えてください。」(『すべての必要なものを用意しなさい─家庭貯蔵』大管長会からのメッセージ)

物質的,および霊的な家庭貯蔵

ここで大管長会が述べている「困難」とは何でしょうか。ヨセフは飢饉に備えて食糧を蓄えました。リーハイは長い旅に備えました。ラコーニアスが民を集めたのは,レーマン人の攻撃が迫っていたからです。自然災害,失業,病気,経済危機,テロリストによる攻撃なども,家庭貯蔵を行う理由に加えることができます。

ニール・L・アンダーセン長老は,個人的な試練に備えるよう教えました。こう述べています。「兄弟姉妹,わたしたちは皆, 霊的な力や,霊感や啓示を受けるときがあります。わたしたちは,そうした霊的な経験を心の奥底にとどめておく必要があります。そうするなら,困難に直面したときのために霊的な食糧貯蔵をすることができるのです。イエスは,御自身が教え,命じることを行うよう,心に留めなさいとおっしゃいました。」(「あなたは十分に知っています」『リアホナ』2008年11月号,13-14)

基礎的なガイドライン

家庭貯蔵に関して受け取ったガイドラインは,一人一人の教会員がどのような状況にあっても実施できるような単純なものです。「日常の食事の一部を少しずつ貯蔵するようにしてください。一つの方法として,毎週何品か多く購入し,まず1週間分の貯蔵をします。……」(『すべての必要なものを用意しなさい─家庭貯蔵』)わたしたちはまた次のように勧告されています。「飲料水を貯蔵しましょう。水の汚染や断水はいつ起こるか分かりません。」(同上)最後に,このように教えられています。「経済的な余裕を持ちましょう。毎週少しずつ貯金し,当面の必要に十分な金額まで徐々に増やしてください。」(同上)

大管長会はさらに,食糧と水とお金をかなり蓄えた人たちに向けて,そこでやめるべきではないと勧告しています。「大量の食糧貯蔵が許される地域に住んでいる場合,少しずつ増やして長期分の食糧をためましょう。長期間の保存が可能なうえ,飢えをしのいでくれる麦や米,豆類などを保存してください。」(同上参照)ヨセフと食糧の物語がそのことをよく表しています。そのときどれくらいの食糧が貯蔵されたかについて,このように記録されています。「量りきれなくなったので,〔彼は〕ついに量ることをやめた。」(創世41:49)

ただ食糧を集めるだけではないラコーニアスは,民と家畜を1か所に集めるように布告を出しました。それから,とりでを幾つも築かせ,見張りを置きました(3ニーファイ3:13-14参照)。彼はまた,民に悔い改めて主に叫び求めるよう言いました(15節)。リーハイが旅を始めたとき,彼は果物と蜂蜜と肉を日々の必要を満たすために持って行きました。しかし彼は,種も持って行きました。約束の地に着いたとき,彼が最初にしたことの一つは,「地を耕して種をまき始め」ることでした(1ニーファイ18:24)。

年齢,結婚,家族の人数,経済状況がどうであれ,すべての人は自分の必要と力に応じてこれらの原則に従うように勧告されています。信仰と,従順と,知恵が必要です。それでも,備えようと努力するなら,わたしたちはより少ない資源で生活できるようになります。倹約できるようになります。貯蔵するための技術を伸ばすことができます。欲望をコントロールできるようになります。よりよく計画し,知恵をもって管理できるようになります。

預言者からのチャレンジと警告

新しい年を始めるに当たり,トーマス・S・モンソン大管長の警告に耳を傾けましょう。「もしも1年分の食糧を貯蔵していて,負債がなければ,もっと多くの人が経済的な大暴風雨を乗り切ることができるでしょう。今日,わたしたちは,多くの人がこの助言と逆のことを行っていることに気づいています─彼らは少なくとも1年分の負債があり,食糧がないのです。」(“That Noble Gift─Love at Home,”Church News ,2001年5月12日付,7)◆