リアホナ2011年8月号  災害とソーシャルメディア

災害とソーシャルメディア

3月11日に東北で地震と津波が発生した直後から,安否確認の多くはインターネットを通じて行われた。実際に,教会のサイトには多くの会員から安否確認情報が寄せられた。今までの安否確認のイメージは,現地をくまなく歩いて確認するものだった。しかし,今回は海外を経由した情報が寄せられることもあった。直接,本人に会ったわけではないので,詳細な状況は把握しきれないが,それでも,第一報の情報としては価値あるものだった。そして,今回の被災地での安否確認も現地の情報収集でも,活躍してくれたのが全国に点在する独身会員の兄弟姉妹だった。4月の総大会でもモンソン大管長は独身会員がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)をはじめとするソーシャルメディアを活用したことにも触れている。

新潟地方部新潟支部の小川真季姉妹も,そのような安否確認に奔走してくれた独身会員の一人だ。

「インターネットに関心を持ち始めたのは,小学校5年生ぐらいからです。子供用のインターネットサイトに関心があって,そこで遊びながらホームページ作りや交流をしていました。その延長が今に至っています。」ほぼ毎日「ミクシィとフェイスブックのチェックはしている」と話す小川姉妹。地震が発生したときも,即座に携帯電話から情報をチェックした。

「3月11日に地震が起きたとき,新潟も大きな揺れがありました。建物の中にいましたが,すごく何度も揺れていたので,危ないと思いました。携帯電話でチェックすると,ミクシィやフェイスブックへの書き込みが増えていました。特に,仙台伝道部のことを心配している人からのメッセージがたくさん届いていました。海外に住む帰還宣教師が心配しているメッセージがたくさんありましたので,『えっ?こんな世界規模になっているんですか?』と驚きました。」

海外からのメッセージに促されるように,小川姉妹はすぐに安否確認の作業を始めた。「すべての知り合いにメールを発信して安否を確認しました。すぐに返事が返ってくる人も入れば,1週間ぐらいしてから返ってくる人もいました。その情報をまとめて,帰還宣教師たちへ送りました。その作業をしているときに,教会員の友達の提案を受けて,互いが持っている情報を整理しました。」

そして,その整理された情報が教会へ送られ,安否確認情報の大きな助けとなった。小川姉妹やその作業に協力した独身会員の機転がなければ,教会が単独で行うには時間と労力を費やす困難な作業だったかもしれない。

「独身会員もユース世代もだいたい携帯を持っていますから」と小川姉妹は,そのネットワークの広さについて話す。しかし,注意が必要なことがあるのも事実だと言う。「リアホナを読んでいると,携帯電話の使い方に気をつけるアドバイスや記事がありますよね。SNSとかメールは,使い方次第では,証を強めたり,関係を強めることができると思いますが,やはり,注意が必要なんだと思います。例えば,SNSを利用していると,不適切な広告が出てくるので気をつけなければならないと思います。フェイスブックではそれほど気になる広告はありませんが,他のSNSではちょっと変なものもありますから。」

現在,メディアサービス部のフェイスブックサイトへのアクセスは日に日に高まっている。質問や情報提供がフェイスブックを通じて行われる件数も増加している。独身会員のカンファレンスや,8月に行われるefyでも,SNSは情報共有の場として欠かせないものとなっている。

インターネットを利用した新しいサービスが教会員に恩恵をもたらすこともあるので,教会でもその導入には常に高い関心を持っている。しかし,その反面,総大会で度々語られるように,ITメディアへ依存しすぎることへの預言者の警告も忘れてはならない。◆(メディアコンテンツ・スーパーバイザー)