リアホナ2010年8月号 シリーズ5 福祉のABC

シリーズ5 福祉のABC

            (地域福祉部)

教育

教育はこの世と次の世において多くの扉を開く鍵です。教育とはいわゆる学校制度を通して学ぶ事柄に限るのではなく,良いことであれ悪いことであれ,人生を通じて学ぶすべてのことを含みます。学習と経験によって学ぶ事柄を,わたしたちはこの世を去るときに携えて行くことになります。「わたしたちがこの世において得る英知の一切は,復活の時にわたしたちとともによみがえる。そこで,もしある人が精励と従順によって,この世でほかの人よりも多くの知識と英知を得るならば,来るべき世でそれだけ有利になる。」(教義と聖約130:18-19)

霊的な教育

永遠の観点から見ると,霊的な教育は,単に読み書きを覚えることよりもはるかに大切なことです。しかしながら,わたしたちの目標は,教会歴史に関する試験や,モルモン書の登場人物が何をしたか,どの土地でどの預言者がどの預言をしたかといったクイズで100点満点を取ることではないはずです。わたしたちは単に知識を得る段階を越えて,知恵と英知を得る段階に移行しなければなりません。わたしたちの学習の目的は,主御自身が執り成しの祈りの中で明確にされました。主はこう祈られたのです。「永遠の命とは,唯一の,まことの神でいますあなたと,また,あなたがつかわされたイエス・キリストとを知ることであります。」(ヨハネ17:3)

これがわたしたちの目標なのです。そして,わたしたちのすべての学習と経験が,それを達成できるよう助けてくれるのです。常に熱心に祈る,勤勉に聖文を学ぶ,戒めに従い聖約を守るために努力する,人々に奉仕する,これらは神とイエス・キリストについて単に知っているというレベルから,御二方を個人的によく知っているというレベルに移行する方法です。

この世の学習

この死すべき世を生きていく間に,わたしたちは幼少期から子供時代,青年期を経て成人へと成長していきます。それぞれの段階で,わたしたちは技術や知識を獲得します。そのような技術や知識を最大限に身に付けることは,地上での義務を果たすために欠かせません。しかし,わたしたち一人一人が異なっているように,各個人の学習体験も違うものになるでしょう。すべての人に当てはまる指針が啓示を通して与えられています。「最良の書物から知恵の言葉を探し求め,研究によって,また信仰によって学問を求めなさい。」(教義と聖約88:118)

教育について,ディーター・F・ウークトドルフ管長はこのように教えています。「教会員にとって,教育を受けることは単なる良い考えではありません。戒めです。わたしたちは『天のこと,地のこと,地の下のこと,かつてあったこと,現在あること,すぐにも必ず起こること,国内にあること,国外にあること』を学ぶ必要があるのです。……。『徳高いこと,好ましいこと,あるいは誉れあることや称賛に値すること』のすべての知識を増し加えるよう努めてください。『研究によって,また信仰によって』知識を求めてください。へりくだる霊と悔いる心で求めてください。信仰の霊的な側面を学問に応用すれば,学習の対象がこの世の事柄であっても,知的能力を高めることができます。なぜなら,『あなたがたが〔神の〕栄光にひたすら目を向けるならば,あなたがたの全身は光に満たされ,……すべてのことを悟る』からです。」(ディーター・F・ウークトドルフ「いかなる経済状況にも当てはまる二つの原則」『リアホナ』2009年11月号)

年齢,人種,性別にかかわりなく,すべての人は学ぶ義務を免除されることはありません。姉妹たちに向けて,トーマス・S・モンソン大管長はこう教えました。「霊的な勉強に加えて,この世の学問も欠かすことができません。将来何が起こるか分からないので,不慮の事態に備える必要があります。……今教育を受けていない,あるいはこれまで十分に受けてこなかった皆さんは,必要な状況になったときに収入を得られるように,ぜひとも教育を受けてください。学ぶことによって,皆さんの才能は伸びていきます。家族の勉強をさらに助けてあげられるようになります。そして,人生で遭遇するかもしれない出来事に対する備えができているという安心感を持つことができます。」(トーマス・S・モンソン「あなたを導く3つの目標」『リアホナ』2007年11月号)

どうすればよいでしょうか

こう自問してみてください。「これまでに得た知識を知恵や英知に変えるために,何ができるだろうか。」

こう自問してみてください。「『唯一まことの神とイエス・キリストを知る』ために,今日何ができるだろうか。」

こう自問してみてください。「霊的な学習を探求するために,何ができるだろうか。」

こう自問してみてください。「この世の学問を探求するために,何ができるだろうか。」

親の皆さんは,こう自問してみてください。「霊的にもこの世的にもよく学ぶよう子供を励ますために,何ができるだろうか。」◆