リアホナ2009年10月号 News Box 初等協会の子供たちがノルウェー大使館を訪問

News Box 初等協会の子供たちがノルウェー大使館を訪問

── 休館日に特別な訪問許可を得て

夏休み最後の週末である8 月29日(土),金沢ステークの初等協会の子供たちはとても印象的な経験をしました。家族で日本東京神殿を訪問し,両親がそろって儀式を受けている間に,ステーク初等協会の活動としてノルウェー王国大使館を表敬訪問したのです。東京神殿に隣接する有栖川記念公園を中心に半径500メートルの円を描くと,そこにはドイツ大使館,中華人民共和国大使館(本館)をはじめ,アルゼンチン,パキスタン,フィンランド,フランスなど数多くの国々が駐日大使館を構えています。とりわけ神殿に近いのは隣接する中国大使館別館,その向かいのノルウェー大使館,スイス大使館です。

金沢ステークでは,神殿訪問に行く子供たちが,「神への信仰」の【文化的場所への訪問】の目的を達成できる有意義な活動をしたいと模索し,ノルウェー大使館が訪問を受け入れてくれるかもしれないとの情報を得ました。しかし当初は,訪問予定日が大使館の休館日である土曜に当たっていたことから実現が危ぶまれていました。

そうした折,新田元一ステーク会長は,チャーチニューズ(教会発行の英字新聞)に掲載された一つの特集記事に目を留めます。ノルウェーからアメリカに移住した彫刻家Torleif S. Knaphus兄弟は,荷車隊を象徴する「ハンドクラフト・パイオニアズ」の像をソルトレーク・シティーにて1926年に制作しました。その複製ブロンズ像が,彼の子孫によって母国ノルウェーの移民博物館に寄贈されたという記事でした。ステーク広報ディレクターの林糸枝姉妹は新田会長の指示によりこの記事を教会広報部へ送り,地域広報ディレクターのデビッド・F・ロバートソン長老ご夫妻が大使館との折衝に当たりました。その結果,特別に訪問の許可が下り,信仰と祈りの結果だと皆,喜びました。当日は,日本宣教師訓練センターのジェームズ・A・マッカーサー会長とロバートソン長老ご夫妻が,訪問に参加する4年生以上の子供たち19人をエスコートするために神殿の別館へ迎えに来てくださり,ノルウェー大使館へは午前10時に到着しました。

子供たちは聖餐会のときのように敬虔な態度で訪問することを心に留めて,やや緊張気味にノルウェー領地へ入国※しました。この日のために初等協会でノルウェーについて学び,質問を考え,歌の練習をし,きちんとあいさつができるよう準備してきたのです。そこへ男女二人の若くはつらつとした大使館職員がフレンドリーに出迎えてくださり,安心して建物に入りました。この日は大使ご夫妻はお留守なので,大使公邸内の見学はかないませんでしたが,玄関に美しいプールがあり,子供たちは「すごい」と興奮しました。

建物の入り口にはノルウェーを紹介する,美しい写真が多数掲載された日本語の小冊子が用意されており,職員が一人一人にプレゼントしてくださいました。その後,地下1階のホール(プレゼンテーションルーム)に通され,職員の歓迎のあいさつを受けた後,映像を通してノルウェーの美しい自然と文化の紹介がありました。視聴後,武藤香織姉妹の通訳により,初等協会の子供たちからノルウェーに関する質問がなされ,職員が楽しい話で応対してくださいました。

子供たちはお礼にアカペラで「神の子です」の歌をプレゼントしました。そして,子供の代表が職員に1冊ずつノルウェー語のモルモン書を贈りました。次に,訪問のきっかけとなったチャーチニューズの特集記事が,ステーク会長会初等協会担当の広瀬博章会長から職員に手渡されました。先祖が手車隊の指導者であったマッカーサー会長からは,当時のことを克明に記録した先祖の日記を引用して,モルモンの開拓者についての説明がなされました。

最後に,ノルウェー国旗と日本国旗の下で職員とともに記念撮影をし,19人の子供たちは初めての外国訪問を無事に終えてノルウェー大使館を後にしました。

この活動に同行した,ステーク初等協会会長の古井ゆかり姉妹は次のような感想を寄せています。「大使館で頂いた冊子には,子供たちが考えて準備していた質問の答えがたくさん書かれており,ノルウェーにはとても魅力的で理想的な生活があることがよく分かりました。子供たちにとっても,日本以外の国がどのような生活をしているのかを垣間見る良い機会になったと思います。青少年にもこうした機会があれば,世界に対する興味や理解が深まり,近い将来の伝道や自身のビジョンなどとも関連付けて,初等協会の子供たち以上に強い印象を持つだろうと思いました。将来の日本を作るのは彼らですから,住みやすい国とはどんな国か,これからもいろいろな国の様子を見て,日本を考えるうえで参考にしたり,模範にしたりしてほしい。また豊かなインスピレーションを持ち,それを実現できる大人になってほしいです。これが御心なら来年の大使館訪問も実現できると信じます。」

初等協会の子供たちは将来,末日聖徒イエス・キリスト教会の大使となって,多くの人々に回復された福音を宣のべ伝えるときにこの経験を思い出すことでしょう。休館日の訪問実現に当たり,子供たちの熱心な祈りと,広報関係者の一方ならぬ努力と,ノルウェー大使館の方々のご厚意がありましたことを心から感謝いたします。(レポート:大井博美金沢ステーク高等評議員)◆