リアホナ2009年7月号 ─豆知識⑭─経済的暴風雨に備える

─豆知識⑭─経済的暴風雨に備える

(地域福祉部)

2001年は,世界中の人々にとって生涯忘れられない年となりました。その年の10月の総大会で,ゴードン・B・ヒンクレー大管長(1910-2008年)は教会の会員に次の勧告を与えました。

「経済は特に不安定です。わたしたちは繰り返し,自立について,負債について,倹約について勧告を受けてきました。わたしたちの中にはまったく不必要なもののために多くの負債を抱えている人々が大勢います。わたしは若いころに,家族の必要を満たすだけの質素な家を建てて,その家を美しく,魅力のある,心地よい,安全な場所とするよう父から言われました。できるだけ早く抵当を外して,どのようなことが起きても,妻子のために住む場所があるようにしておきなさい,と父から忠告を受けました。わたしはそのような教えの下で成長しました。この教会の会員である皆さんに,可能なかぎり負債を解消して,必要なときのために蓄えをするよう強く勧告いたします。」(「わたしたちが生きている時代」『リアホナ』2002年1月号,85)

多くの教会員が,愛する預言者の勧告を聞き,生活習慣を改善しました。会員たちは家計の状況を見直し,負債を完済するための措置を講じ,将来のための貯蓄を始め,新たな解放感を感じることができました。しかし,そのようにしなかった人々もいます。

それから6年後,大管長会は『すべての必要なものを用意しなさい』と題された2冊の非常に基本的なパンフレットを作成し,配付しました。このパンフレットが配付されたとき,教会員の中には,自らの考え方と生活習慣をさらに変えた人たちがいました。そのような会員たちはこのことについて家族で話し合い,家を整えるためにさらに新たな一歩を踏み出し,さらなる安心感を得,より強い証を得ました。しかし,そのようにしなかった人々もいます。

それからちょうど1年後に,経済状況が悪化し始めました。その翌年のうちには,世界は100年に1度と言われる世界的大不況に突入しました。そのような深刻な状況に見舞われる前に準備をするよう警告してくれる預言者や使徒がいるとは,わたしたちは何と祝福されていることでしょうか。『すべての必要なものを用意しなさい── 財政管理』の中で大管長会は次のように勧告しています。

「何年もの間,末日聖徒は困難のときに備えて貯蓄をするようにと勧告されてきました。貯蓄は,わたしたちの安全と生活の安定に計り知れないほど寄与してくれます。すべての家族には,可能なかぎり自らの必要を満たすという責任があります。

皆さんにお願いします。世界のどこに住んでいようと,家計の状態を考慮しつつ困難に備えるようにしてください。支出を抑え,購入欲に対する自制心を養って負債を避けてください。できるだけ早く負債を返済し,自らをこの束縛から解放するようにしてください。定期的に少しずつ貯金することにより,経済的な蓄えを徐々に増やしてください。

負債を返済し,たとえわずかでも貯金ができるようになれば,皆さんと皆さんの家族は,より守られていると感じ,さらに大きな安らぎが得られるでしょう。

財政管理のために努力を払う皆さんに主の祝福がありますように。」(『すべての必要なものを用意しなさい──財政管理』,2)

『すべての必要なものを用意しなさい──財政管理』では,什分の一とその他の献金を納める,負債を避ける,予算を立てる,貯蓄する,家族を教えるという基本原則が説かれています。これらの原則はいつの時代にも当てはまり,これまでこれらの原則についてたくさんのことが語られ,書かれてきました。世界中の教会員は,これらの原則に従うことを通してもたらされる祝福について証することができます。

財政管理について,地域会長会は以下の勧告を出しています。

●『すべての必要なものを用意しなさい──財政管理』について教え,実践する

● 収入・貯蓄の範囲内で生活するよう会員に奨励する

● 貯蓄を給料の2か月分に相当する額に増やす

ヒンクレー大管長は,雨の日(苦難の時)が到来するのに備えてこれらのことを行うようにと,2001年にわたしたちに勧告しました。その雨の日は,熱帯暴風雨の激しさでやって来ました。興味深いことに,この嵐がもたらしている大雨は,備えのできている人にも,備えができていない人にも,すべての人に激しく降り注いでいるのです。◆