リアホナ2009年4月号 ─豆知識⑬─ 食品を長期間貯蔵するには

─豆知識⑬─ 食品を長期間貯蔵するには

 (地域福祉部)

自立の6つの要素の一つは家庭貯蔵です。ここ最近,1年貯蔵の代わりに,日常的に食べている食料品を少しずつ蓄え,3か月分を貯蔵するようにと強調されています。できる所ではより長い貯蔵も勧められていますが,賢くそれを行うように指導者が度々話しています。お米,麦,豆類などを3か月,1年,またそれより長期間貯蔵するには,保存の仕方,場所,環境などの条件があります。釧路地方部釧路支部の熊野照孝兄弟は,1981年に収穫した小麦(玄米ならぬ玄小麦)20キロを,使われなくなった牛乳のアルミ製輸送缶へドライアイスとともに入れて2缶貯蔵しました。28年後の今年,古い石臼で製粉して全粒粉(皮や胚芽がついたまま挽かれた粉)を作り,ホットケーキやパン,クッキーなどにしたところ,「できばえも味も大好評でした」と熊野兄弟は報告しています。

30年以上にわたる長期貯蔵の一つの手段として,1990年代から教会は,ホイルパウチの活用を勧めてきました。今では,ほとんどすべての日本のステークにシーラーがあり,また,ホイルパウチや中に入れる脱酸素剤を教会配送センター*で購入することができます。

ここで,ホイルパウチに関するよくある質問,そしてシーラーの使い方をご紹介します。より詳しくは,教会公式ウェブサイト(http://www.ldschurch.jp/index.php?id=961)をご参照ください。

★どのような食品をパウチに入れることができますか?

パウチで貯蔵できる食品は,乾燥しており(水分が約10%またはそれ以下),常温で保存可能な,油分の少ない食品です。水分のある食品を低酸素パッケージで保存すると,ボツリヌス中毒を起こす可能性があります。奨励される具体的な食品については前記のウェブサイトを参照してください。

★一つのパウチにどれくらいの量を入れられますか?

1ガロン(約4リットル)の食品が入ります。重量は食品によって異なります。小麦は7ポンド(3.2kg),白米は6.8ポンド(3.1kg),脱脂粉乳は5ポンド(2.3kg)入ります。

★パウチのアルミニウムは食品に影響を及ぼしませんか?

影響ありません。食品基準に合ったプラスチックの被膜があるので,食品が直接アルミニウムに触れることはありません。食品を水分と酸素から保護するために,金属性の遮断材が重要な役割を果たします。

★パウチを密封する最良の方法は何ですか?

パウチはインパルスシーラーを使って密封します。アイロンや家庭用の加熱器具では十分に密封できません(特に,小麦粉や粉ミルクのような粉末の食品には不向きです)ので,家庭用の加熱器具は使用しないでください。インパルスシーラーはほとんどの日本のステークにあります。希望するならば,教会配送センターを通じ,またはhttp://www.ldscatalog.com(英語)で購入できます。

★パウチから空気をすべて抜く必要がありますか?

その必要はありません。脱酸素剤はパウチの中の空気から酸素だけを除去します。酸素が少なくなると寄生虫が死滅し,食品の品質が保たれます。

★パウチした食品はどのように貯蔵すればよいでしょうか?

パウチは,涼しく,乾燥した,ネズミが来ない場所に保存するのが最適です。コンクリートの床や壁に直接触れないようにしなければなりません。パウチにはネズミ対策は施されていません。貯蔵場所でネズミやその他の害虫による問題が生じる可能性が大きければ,ネズミや害虫を防げる容器にパウチを入れておかなければなりません。◆