リアホナ2007年9月号 ミクロネシアへの人道支援に奉仕する教会員たち── 関東一円の聖徒たちが協力

ミクロネシアへの人道支援に奉仕する教会員たち── 関東一円の聖徒たちが協力

日本の教会で初めての,海外へ向けた組織的な人道支援奉仕活動が,この春,関東一円の聖徒たちの協力で実現した。文具キット,衛生キット,新生児キットを詰めた段ボール箱,合計191箱が船積みされ,6月4日にミクロネシアへ向けて東京港を出航した。これまではこうした人道支援の要請に対し,教会はソルトレーク・シティーのウェルフェア(福祉)スクウェアから物資を直送しており,日本での奉仕活動はなかった。今回,東京伝道部に属する関東の10ステークに声をかけ,同じアジア北地域に属するミクロネシアへの支援活動が行われた。「ステーク会長さんたちからの反応はとても良かった。全員がこの奉仕活動にかかわりますと表明してくださいました」と,地域福祉部のダーウィン・ハルウ゛ォーソン部長は振り返る。

◆3月30日

この日,桐生ステークのユースカンファレンスの一環として,60人ほどの青少年たちによる衛生キットの袋詰め奉仕活動が行われた。まず青少年たちは,人道支援とは何か,について映像資料を含めた30分ほどの説明を受け,理解を深める。その後,全員が協力して歯磨き粉,歯ブラシ,くし,タオル,石けんなどのセット1,200個を1時間余りで作り上げた。

◆4月21日

東京ステークの姉妹たちを中心とする25人が,新生児キット300セットを作った。中にはおむつ,毛布,肌着,靴下,石けん,安全ピンなどが詰められている。おむつは町田・横浜の各ステークの姉妹たちがミシンを持ち寄り,1,200枚を縫い上げたものである。また毛布も,教会が購入した生地を関東のアメリカ軍人地方部の姉妹たちが縫製している。靴下も軍人地方部の会員たちからの寄付で賄われた。

◆4月28日

三浦半島で開かれた東京南ステーク(英語ユニット)のユースカンファレンスにて,100人前後の青少年により文具キットが作られた。鉛筆,消しゴム,色鉛筆,鉛筆削り,ノート,はさみ,のり,定規などがリュックに詰められ,サイン入りのメッセージカードも添えられた。彼らも人道支援について学び,1時間余りで1,500個を準備した。

これらの物資調達や発送作業は管理本部によっても支援され,ミクロネシア連邦コスラエ州の学校と病院に6月末に到着した。

「これは第1ステップです」とハルウ゛ォーソン部長は言う。会員たちに直接の奉仕の機会を提供する第2ステップは,この8月30日,2,000人以上の独身会員が全国から集まる日本YSAカンファレンスで行われる。ミクロネシア連邦チューク州とパラオ共和国に送る文具キット5,000個を作る計画で,物資は全国のステーク・地方部からの寄付で賄われる。「福祉部が必要なものを告げて集めていますが,自発的に,提供されるもののリストが上がってきています。」

さらに第3ステップは,とハルウ゛ォーソン部長は続ける。「ミクロネシアはミクロネシアで,日本は日本の社会の中で奉仕活動を行うことです。教会には1930年代以来70数年の歴史によって培われた人道支援のノウハウがあり,また日本には経済力もあります。家族を大切にすることを隣人に伝え,困っている人を助けて自立を促すのが教会の福祉なのです。」◆