リアホナ2007年7月号10代には英語より親の教育が必要です

10代には英語より親の教育が必要です

  清水順子姉妹

日本人教会員留学生の草分けとして1959年に渡米した清水順子姉妹は,M・トム・清水兄弟と結婚し,1970年代初頭に日本中央伝道部の伝道部会長夫人,1974年から9年半にわたり扶助協会中央管理会員に召された。清水姉妹はその経験を踏まえてこう提言する。

「高校生のときから英語を熱心に勉強していましたので,アメリカへ行ってからも自分の気持ちを伝えてコミュニケーションするという点では不自由しませんでした。高校生のときには,ラジオで英会話を勉強したり,英語の本を読んだり,映画の英語の脚本を声に出して勉強したりしました。なんといっても,少しでも多くの英単語を覚えていなければ,何も始まらないように思います。留学する人も少なかったので,TOEFLのような試験はありませんでした。最初はロサンゼルス・シティー・カレッジで学び,その後UCLAに転校し,そこで卒業しました。」

「高校生のときからアメリカへ留学する日本の子供たちもいます。個人的には,このような年代の子供のことを考えますと,非常に多感なときであり,最も親を必要とするときなのではないかと感じています。小さな子供も親を必要とします。多感な10代になっても親を必要とします。しかし,この『必要』というのは年齢によって内容が異なるように思います。10代の子供が求める親の必要を満たしてあげることは,親の役割を果たすうえで,とても重要なことです。」

「青少年の年代にある子供たちは,この時期に精神的にも霊的にも肉体的にも発達し,成長します。留学して,どんなにすばらしいホストファミリーと出会ったとしても,実の親が与えてくれる霊的,情緒的サポートに勝るものはありません。きれいな英語の発音を習得させるよりも,親が教えること,親から学ぶべき大切なことがあるように思います。英語も日本語も中途半端になってしまうことは心配です。親が日本の常識をきちんと教え,日本の文化を身に付けさせた方が,ほんとうの意味で国際人として活躍できるのではないでしょうか。」もとより移民法の変更により,現在,高校生の留学は法的にも非常に条件が厳しいと清水姉妹は言う。

「留学して英語を学びたい気持ちは分かりますが,まずは,その年代の子供たちが霊的なものを学び,神様の業に奉仕する習慣を身に付けることが優先されることを心から願っています。」◆