リアホナ2006年10月号 教会教育システム

教会教育システム

「ヒンクレー大管長は,新会員に必要な3つのものを挙げました。それは第1に友人,第2に責任(奉仕の機会),そして第3に『神の善い言葉で養われ』ること(モロナイ6:4),です。1 セミナリーとインスティテュートにはその3つがすべて揃っています。ですから改宗されたら,年度途中であってもぜひ登録してください。」日本・グアム・ミクロネシアの教会教育システムを統括する金城寛地域ディレクターはこう強く勧める。

教会が経営し,アメリカ最大の私立総合大学として知られるブリガム・ヤング大学(BYU)。米国ユタ州の本校のほか,アイダホ校,ハワイ校があり,4万人以上の学生が学ぶ。そのBYU運営をはじめ,世界の約130か国35万人に宗教・道徳教育を行っているのが教会教育システムである。「皆さんは教育の大切さを教える教会に属しています。」(ゴードン・B・ヒンクレー大管長)2──日本でも,セミナリーとインスティテュート(下記参照)が日本のほとんどの地域で開講されている。

セミナリー受講年齢の青少年が改宗し,あるいは求道者の間にセミナリーに登録すると,毎日聖文を読む習慣を身に付け,また同年代の青少年とともに定期的に学び,「神の善い言葉で養われ」ることになる。クラスでの交わりを通じて友人が得られるほか,年度末には「セミナリー・グランプリ/フェスティバル」と呼ばれる活動に参加し,複数のワード/支部から集まった多くの仲間たちと交流する機会もある。このセミナリーは,18歳以上の成人のための教育の場であるインスティテュートへと発展的につながっていく。

大学生年代が集まるインスティテュートのクラスでは,所属する大学や職場を越えて広く友人関係を育むことができる。クラスを受講してさらに深く「神の善い言葉」を研究するだけでなく,学生評議会(下記参照)が企画する楽しい活動に参加して責任を担うことが,将来のより大きな奉仕に備える訓練となる。それは例えば専任宣教師になることであったり,結婚してよい父親・母親になることであったりする。東京渋谷インスティテュートなどでは,「4つのM」──Meet(出会い),Mingle(交わり),Mission(伝道),Marriage(神殿における永遠の結婚)を視野において学び,活動している。

「最近は,福音を学ぶ際の生徒の役割を強調しています」と金城ディレクターは話す。「教師が釣った魚を与えるのではなく,自分自身で魚を釣る力を付けるということです。ただ受動的に出席するのではなく,生徒が先生と同じように,聖文から学んで感動して,その原則を生活に取り入れ,人に学んだことを教えられるように,その方法を教えているんです。」あらゆる面で自立した人間になることは福音の原則の一つであり,ここでは霊的に自立することが教えられているのである。◆

1. ゴードン・B・ヒンクレー「子羊を見いだし,羊を養う」『リアホナ』1999年7月号,125

2. ゴードン・B・ヒンクレー「若人への預言者の勧告と祈り『」リアホナ』2001年4月号,34