リアホナ2006年3月号主の平安がわたしを包んでいました

主の平安がわたしを包んでいました

札幌ステーク苫小牧支部 斉藤城子

2005年はわたしにとっては大変な年でした。今までに経験したことのない病にかかり,ほとんど1年間は不調の日々を過ごしました。まったく根気がなく疲労がひどく,人とは会いたくなくだれとも話したくない。ほとんど外出もせず,食事の支度をしながらもとにかく体を休めることに追われる毎日でした。体調が日に日に悪くなり,教会の集会も休みがちになり,このままではわたしは一体どうなってしまうのかと不安でした。

そんなときでした。ヒンクレー大管長が全教会員に,今年中にモルモン書を読んでください,とお話しされました。わたしは預言者の言葉に耳を傾け,心を傾け,このチャレンジを受けてみようと思いました。そのときから毎日毎日モルモン書を読みました。わたし自身,末日聖徒としての生活は早50年が過ぎています。今までに何十回モルモン書を読んだことでしょうか。しかしこの度のチャレンジはわたしにとって特別なものでした。体調を崩し根気のないことを理由とせず,しっかりと預言者の勧告に心を向け実行に励みました。

するとどうでしょう。モルモン書に対する,今まで感じたことのない興味が深まり,ページをめくる度に,次は何か,この人たちはどうなってしまうのかと,次から次へとわたしの心はすっかりモルモン書の中に入り込んでしまい,まるでタイムスリップしたかのよう。リーハイ,モルモン,ニーファイ,アルマ,モロナイ,彼らとほんとうに差し向かいで話を聞いているかのような体感をしました。今まで何十回も読んだはずの所からも新たにたくさんのことを発見し,学び,悟ることができました。

ついにわたしはモルモン書を感動のうちに完読しました。今,わたしのモルモン書には次のことが記されてあります。「2005年10月29日モロナイ書を読み,モルモン書を完読す。沢山の事を学び,沢山の主の声を知る。又モルモン書を読む日まで。」

モルモン書を読み終えて,わたしはすぐに旧約聖書のヨブ記を読みました。ヨブは人間として肉体的な極限状態にありながらも決して神を忘れず,信仰の灯を消すことなく,最後まで主に忠実でした。どのようにしたらその状態を維持できるのかと,わたしなりにぜひ,ヨブ記より学び取りたかったのです。モルモン書を読み終えて,すぐにヨブ記を読んだことはわたしにとってまさに個人に対する啓示ではなかったかと感じられました。それほど強いものを得,心身共に平安がわたしを包んでいることに気がつきました。そのときわたしは,預言者の言葉に耳を傾けチャレンジしたことに,満足と心の平安を得たのです。◆