リアホナ 2006年4月号 アイリング長老が来日,それぞれの「羊を養う」ようにと語る

News Box アイリング長老が来日,それぞれの「羊を養う」ようにと語る

──名古屋地区のユニットを大幅に再編

──名古屋地区のユニットを大幅に再編

十二使徒定員会のヘンリー・B・アイリング長老がこの度日本を訪れ,2月25・26日の名古屋西ステーク大会を管理した。地域会長会第一副会長のデビッド・F・エバンズ長老と,地域七十人の中野正之長老もともに名古屋を訪れた。

大会では,名古屋地区の3つのステークおよび三重地方部が,2つの力強いステーク──日本名古屋ステーク,日本名古屋東ステーク──に再組織された。また6つの小規模なワードと2つの支部が統合され,力強い,3つのワードと1つの支部に再組織された。アイリング長老管理の下に,日曜の部会で組織の変更が発表され,支持されると,アイリング長老は会員たちに,会員の中にはこの変更を受け入れるのが難しい人もいるだろう,と語った。しかし,会場は一致の精神とこの変更を支持する気持ちであふれていた。アイリング長老はこの変更が主の御心であることを証した。長老は第1ニーファイ3:5-6を引用し,会員たちはこの変更を一致して支持し,「つぶや〔かなかった〕」ため,「主の恵みを受けるで〔しょう〕」と約束した。エバンズ長老,中野長老とともに,ステーク会長,伝道部長もこの変更に対する心からの支持を示した。

25日,土曜夜の部会においてキャスリーン・J・アイリング姉妹は,かつてアイリング長老がリックスカレッジ(現ブリガム・ヤング大学アイダホ校)の学長でありワードの監督であった30代のころのエピソードを語った。「子供たちが小さいころ,主人はとても忙しい人でした。それでも子供たちとの時間を取ってくれていました。……休日の土曜には息子たちを集めて(日曜大工などの)プロジェクトをし,働くことの意義を教えるだけでなく家を美しくしてくれました。……また,日々聖文を読むときに,小さな子供たちでも楽しくできるよう,毎日,絵の具を使って聖典の物語の絵を描いてくれました。──今では孫ができ,子供たちは孫たちに聖文を読み聞かせています。子供たちは福音に対する証を築くことができたのです。この証が幾世代にもわたって受け継がれていくよう願っています。」

アイリング長老はそれを受けてこう言う。「家内はわたしを良い父だと言いますけれど,いちばん犠牲を払うのは母親です。」アイリング長老は,母親の愛は救い主の愛に非常によく似ていると語った。子供のために犠牲を払った母親は,子供たちを愛している。それは救い主が民のためになさったことと同じなのである。

またアイリング長老はモンソン副管長が何年も前に若くして監督を務めていたときのことを語った。ワードには多くの未亡人が集っていた。モンソン長老は解任されてからも彼女たちを訪問し続け,最近,その最後の一人の葬儀に出席したという。「50年前の羊たちをモンソン長老は決して忘れないのです,母親のように。」そして一同にこう語りかける。「どのようにしたら良い羊飼いになれるでしょうか──それは,羊のために犠牲を払うことです。」

「小さい子供たちは朝,聖文を読むとき眠くて機嫌も良くないんです。そこで毎晩,深夜に絵の具で絵を描きました。毎朝それを見せられるように。──大変でした。絵が上手だったかどうかは分かりません。けれどもそれは絵のためではなかったのです。そのことでわたしの心が変わりました。少しですけれど犠牲を払ったからです。わたしたちも,奉仕する人々のために少しでも犠牲を払うなら,彼らに愛を感じるのです。」主はその生涯を通じて奉仕をされ,病を癒し,慰め,最後にはご自身を犠牲としてすべての人を贖われた。

そのうえで,アイリング長老は一つの方法を提案する。自分の子供や孫,またワードの会員など,羊の必要としていることを祈りによって知り,羊飼いとしてそれを行うということである。「祈りの中で,『わたしが他の人にするように神様が望んでいらっしゃることは何でしょうか,お知らせくだされば,わたしはそれを行います』と主に約束してください。やがてその人の顔と名前が浮かびます。何をしなければならないかも。それを躊躇しないですぐ実行に移すことです。主がだれかを助けようとあなたを送られるとき,先延ばしにしないでください。すぐにそれを行うなら,主はあなたを信頼に足る僕と見てくださいます。今夜からそれを行ってください。一部の人でも行うならば,……教会は変わります。

わたしたちはバプテスマのときに約束しました。互いに重荷を負い合い,慰めの要る人を慰め,お互いに面倒を見合うことを(モーサヤ18:8,9参照)。そうすると,贖いが生活の中で働き始めます。罪を赦されていると感じ,笑顔が戻ってきます。」

アイリング長老はこう証した。「約束したことを果たしてください。そうすれば,救い主の感謝の気持ちを皆さん自身が感じることでしょう。行えば行うほど啓示を受けやすくなります。皆さんの性質が変わり,聖霊は伴侶になります(2ニーファイ31:17参照)。火のバプテスマを受けると皆さんの心が変わります。時間がかかるかもしれません。忠実でなければなりません。けれどもいずれそれはやって来ます。」

またアイリング長老は,受験競争などでプレッシャーを感じている若い世代に向けて語りかける。アイリング長老がハーバード大学ビジネススクールの学生だったとき,地方部長会の一員に召された。アイリング長老がニューイングランド州の小さな支部を訪問するために毎週,フォルクスワーゲンで走り回っているとき,クラスメートはひたすら勉強していた。「月曜の早朝に大急ぎで勉強しました。」アイリング長老は,自分よりすばらしい才能を持った学生があきらめ,退学していく中で,主は,生活の中で自分が神様を第一にすることにより,大学院の学位を取得できるよう助けてくださった,と証する。

ハーバードを出たアイリング長老は,スタンフォード大学の教授としてほかの6人の教授とともに採用される。その後6年の間にそのうちの5人が解雇され,アイリング長老は残ったという。「なぜでしょうか。わたしはそのとき監督で,子供たちの良い羊飼いになろうと努めていました。わたしがスタンフォードの教授であったことは問題ではありません。その場にとどまれるよう主が助けてくださったのです。神様を第一にし,神様が必要とされることを行ってください。そうすれば神様は皆さんが必要なだけ十分,あるいはそれ以上に祝福してくださいます。主を信頼し,忍耐強くあってください。自分の望むものがこの世では得られないかもしれません。それは次の世で得られるのかもしれません。けれども約束は確かです。この世にあっては平安を,次の世にあっては永遠の命を賜るでしょう。」

最後にアイリング長老はこう強調して締めくくった。「主はあなたがたのために犠牲を払われました。ですから,あなたがたを愛しておられるのです。……皆さんが今晩,祈られるときに,どのように主にお仕えしたらよいか〔尋ねてください〕。その答えを得られるでしょう。すべきことを行ったなら,心に愛が満ちみちてきて,救い主の愛を感じるでしょう。それらを主の使徒としてお約束します。」◆